あなたに優しくする理由 - 月刊「根本宗子」第14号 スーパーストライク

初めて根本さんの作る作品を観たのは2015年の5月。それからもう2年半近くも経ってしまった。第10号の「もっと超越した所へ。」から数えてわたしが観てきたのは外部公演を含めて10本。2年半の中で全作品を観たわけではない上にドラマの脚本なども書いているので驚異的なスピードで作品を世に出していることを感じる。

 

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出演
田村健太郎 長井短 ファーストサマーウイカ 根本宗子

今回の作品は男性1名と女性3名だけで上演される。今までわたしが観てきた色々な舞台の中で最小人数かもしれない。

根本さんの作る舞台は基本的に外部公演以外あらすじが事前にわからない。公式ホームページにはその作品を作るにあたった根本さんの思いのようなものが綴られているけど、それは決してあらすじではないから観に行くまで一体どんな話なのか想像も出来ない。

今回の第14号のタイトルは『スーパーストライク』。タイトルからなにもイメージを膨らませることが出来ないまま、観劇当日を迎えた。タイトルから想像は出来なくてもそれまで9本は観ているわけなので何となくクズ男vsヒステリックな女のバトルだろうと思っていた。

 

Tinder (出会い系マッチングアプリ)を舞台にして物語は進む。

  • マリ (25)・・・職業:ツイキャス主。視聴者数は常に1500人ほど。2Kまたはそれより広いマンションを借りて一人暮らし。家賃はツイキャスなどの収入から自分で払っている。美容やファッション系のツイキャス主と見られる。
  • エイミー (24)・・・職業:トリマー。マリとはジムで知り合い意気投合、同じマンションの別の部屋に住み始める。マリがモデル業をする際はヘアメイクなどを担当している。
  • 黒川 (25)・・・職業:不明。マリの同級生であり親友であったが事情により現在は親交がない。マリのツイキャスを欠かさず視聴している。
  • 南くん (30)・・・職業:ミュージカル俳優 (志望)。友人がおらず人と接する際の距離感がおかしい。見かねた知人が「お前はアプリくらいから始めたほうがいい」と助言し、Tinderを始める。地味メガネ。

 

事はマリがTinderで南くんに"スーパーライク"を送ったことから始まる。 (スーパーライク=Tinderにおける"いいね"のようなもの)

小さい頃から親しい友人がおらず友達との正しい距離感が分からないせいでゲイと疑われ全く友達が出来ない男、横手南。そんな最中、「お前はアプリくらいの距離感から始めた方がいい」と知人に勧められ、恋人を探すアプリ (Tinder )を始める。しかし南はTinderを友人を探すアプリと勘違い。マッチングした女の子たちと仲良くなりたい一心で全員に全力で優しくするが距離感が近いこと・底抜けに親切なことなどが災いし、全員から好きになられてしまう。南にスーパーライクを送ってきた3人は実は知り合いだと分かり・・・?

ざっくり書くとこんな感じかな。

 

今までわたしが観てきた根本さんの作品と異なる点は、今回唯一の男性役である南くんが決してド畜生ではないというところ。他3名の女性陣からそれぞれ好意の矢印を向けられるも、3股をするわけでも誰か1名と付き合って他2名を酷くフるということもない。穏やかで争いごとが好きではない、Tinderのスーパーライクをスーパーストライクと間違えてしまうような可愛いメンズなのだ。

 

今回のこのスーパーストライクという舞台はめちゃくちゃ、めっっっちゃくちゃ面白くて、何でかっていうとこの一見ただのイイヤツである南くんに対する印象が話の進むにつれ、どんどん変化していくから。

 

南くんは地味だし、色も白くて細くて文化系男子そのものみたいな外見をしている。ミュージカル俳優志望なので当然ミュージカルが大好きで、ミュージカルの話をするときは目をキラキラさせて歌ったりしてすごくかわいいし、とにかく底抜けに優しい。彼女でもない女の犬の世話をしてくれるし、逃げたハムスターを一緒に探してくれるし、抱きしめて!って言えば抱きしめてくれる。僕にできる事なら!というスタンスでほとんど何でもしてくれる。

"ほとんど"と付けたのは、ただ一つだけしてくれないことがあるから。それは、物語に出てくる3人の女たちが最も求めていること=お付き合いをするということ。南くんは3人と友達になれたことがとにかく嬉しいようで、彼女を作るというステージへ行くのは自分にはまだ早いと本気で思っている。

「〇〇さえ良ければ、これからも友達でいてほしい!だってこんなに仲良くなれたのは初めてだから!」って告白された女全員に真面目に言うような男である。とにかく南くんの中では彼女よりも友達という存在のほうが遥かに重要なものらしいということが、時の流れとともにじわじわとわかってくる。異常なほどに"友達"でいることに執着があるように思う。

 

話は変わり、職業ツイキャス主であるマリ (長井短 )は学生時代に1人は必ずいたような、高飛車で顔が綺麗でスタイルも良く、お洒落でお喋り、常に周りに人が絶えない代わりに敵も多いようなヒエラルキー最上位の女である。そんなマリに召使いのように呼びつけられ、ツイキャスの視聴率向上目的で飼い始めた犬の世話をさせられているのが、トリマーであるエイミー。いつも突然電話で呼びつけられ、仕方なくマリの部屋へ行けば遅いと文句を言われ、犬のフンが臭くて無理だから何とかしてと言われ、めちゃくちゃな注文を怒りもせずやれやれという雰囲気で聞いてあげている。

マリがTinderで「この横手南って人超タイプ!!」と言ってスーパーライクを送っている瞬間を横で見ていた人物である。エイミーはマリを少しでも痛い目に合わせたいという出来心で南くんにスーパーライクを送る。

 

根本さんの舞台は基本的に場所が決められている。ここは誰の部屋、あそこは誰の部屋というふうに決められていて、キャラクターに合った部屋がかなり緻密に作り込まれている。その為あるときは部屋、あるときは映画館のように舞台上で場所が変化することはほとんど無く、常に誰かの部屋で物語が進んでいく。

例のごとく今回のセットも舞台上部が3分割されていた。向かって左がマリの部屋。美容ファッション系ツイキャス主らしくかわいくデコレーションされている。中央がエイミーの部屋、というかトイレ。ここが落ち着くと言って、いつもトイレに座布団を敷きカップラーメンを食べている。もしかすると、トリマーの収入で家賃を払うのが厳しく食費をケチっているのかもしれない。

そして、向かって右が黒川という女の部屋。黒川はいつもマリのツイキャスを視聴している熱心な視聴者のようである。見ているだけではなく、マリを参考にしたのであろうファッションを見に纏い飾りつけなどが施された部屋に住んでいる。扉やテーブルの見た目からして恐らく黒川の部屋は和室である。築年数がそこそこ経過しているように見える部屋に似合わぬ華やかなデコレーションが、逆に物悲しさを演出していた。

一連の流れからして黒川には親しい友人がいないように思える。そしてその分、Tinderで出会い親しくなった横手南に執着しているように見える。黒川が横手南にスーパーライクを送った理由は、マリが南にスーパーライクを送ったことをツイキャスの放送で聴いていたためである。 (マリがオフラインにするのを忘れていて、Tinderを使っているという会話が放送されていた )

 

物語中盤に黒川の口から自分はマリと知り合いだということが明かされる。

「マリとは学生時代の親友であり何でも話す仲であった。ダサかったわたしはマリが仲良くしてくれるのが本当に嬉しかったし、マリが友達に紹介してくれた時も特別な気持ちになれた。ある日好きな人がいることを明かすと親身に相談に乗ってくれ、彼の好きな髪型などを教えてくれた。思い切ってショートカットにした翌日、登校すると自分と全く同じ髪型にしたマリがいた。そうしているうちにマリは彼と付き合い始め、これからは仲良くするのやめようと言われた。最初から私は引き立て役に選ばれただけだったと気がついた。思えばいつも一緒にいたのも同じ服を一緒に買ったのも、マリを引き立たせる為に利用されていたからだ。マリは家が裕福だったけど私は一生懸命バイトしてやっとマリの遊びに付き合うことが出来ていた。でもマリとの付き合いをやめたわたしには何も残らなかった。」

そんなような内容だった。マリがどんなに酷い女なのか、自分がどんなに辛い思いだったか、どんなに酷い目に遭わされたか、黒川は南に必死で訴えていた。

南にスーパーライクを送ったのはマリの大切なものを奪ってみたかったから。だけど南くんはすごく優しくて、だんだん本当に好きになってしまった、マリに取られたくなかったと言って、黒川は南に告白をする。ずっと黙って聞いていた南は「ひとつ確認なんだけど、それって悪口のプレゼンじゃないよね?僕のことを思って言ってくれるだけだよね?」と問いかける。

横手南めちゃくそ鋭いな。悪口のプレゼン (プレゼントだったかも )って女の愚痴大会あるあるだよね。時折わたしも悪かったとは思うけど…みたいな言葉を挟んでみたりして、いやお前絶対思ってないだろみたいな。

 

南の言葉に焦りながらもそうだよと言うと、「良かった。ならいいんだ。マリちゃんと黒川の過去に色々あったことはわかったけど、それは僕には関係のないことだから。僕は2人とも大切な友達だし、黒川はマリちゃんを貶めたくて僕にスーパーライクを送ったのかもしれないけど、それでもこんなに仲良くなれたのが物凄く嬉しいんだ。だから、黒川とは付き合えないけどもし良ければこれからも友達でいてほしいんだ」と南は言う。

 今のところ、南くんは圧倒的に正しい。

 

今の時点で4000字くらいだけどまだ続きます。

 

場所が変わり、今度は南の部屋にエイミーが来ている。その時南の部屋にはマリの飼い犬モアナもいる。マリは実家に里帰り中。モアナは日頃面倒をみているエイミーに懐いているため、マリと親交があることが南にバレてしまう。エイミーもまた、黒川と同じようにマリにぎゃふんと言わせたくてスーパーライクを送ったのだということが判明する。

そんな中、突然弓矢がどこからか飛んできて南のお腹に突き刺さる。救急車を呼ぼうとすると南に止められ、気が動転したエイミーはマリを家に呼んでしまう。エイミーと南に親交があることを知らないマリは電話口で何でお前がそこにいるんだと発狂。エイミーは南に横になったらと促すが、なぜか次第に南は元気になり、いい機会だから!と黒川まで呼びつける。この時点でエイミーは黒川という女を知らないのでポカンとしている。

 

そうして、物語終盤で今まで常に2人組以上のペアが存在しなかった舞台上に初めて4人が集合する。

 南の部屋を訪れたマリは物凄い剣幕でエイミーに食ってかかる。矢が刺さったなんていう意味不明なことを聞かされた上、エイミーが好きな男の部屋にいるんだから無理もない。マリの口から出るのは人格否定のオンパレード。言い返すのも嫌になるほどの罵声を浴びせられているところに黒川が到着する。もちろんマリは黒川と南に親交があることを知らないので、黒川にも罵声を浴びせる。「あんた何でここにいるわけ?あたしあんたの顔二度と見たくないんだけど」

ここで横でオロオロしているだけだった元凶の南が口を開く。「黒川とマリちゃんの間に色々あったことは黒川から聞いた。でもこうやって知り合えたのは何かの縁だからこの機会に2人に仲良くなってほしくて」

2人の間を取り持とうと声をかけるがマリの人格否定は止まらない。

「あんた突然あたしの連絡先全部拒否して目の前から消えたと思ったらなんなの?なんであんたがここにいるわけ?しかも服もあたしとお揃いだし怖いんだけど…まじでなんなの?」

「これはわたしお金ないから昔の服をまだ着てるだけで…」

「はあ?これ1ヶ月前に買ったやつだから。何嘘ついてんの?」

客席で聞いていて感心してしまうほどにマリの罵倒は語彙が豊富で、さすがツイキャスで喋りの仕事をしているだけのことはあるなという感じである。多分今までの人生でも、常に罵声を浴びせる側だったんだろうな。あんなにハキハキと流暢に人を怒鳴ることはなかなか出来ない。

マリの怒りはエイミーに向かったり黒川に向かったりとめどなく溢れ、見かねた黒川はエイミーの気持ちが分かると言い出す。黒川・エイミーvsマリの幕開けである。

「わたし分かるよこの人の気持ち。マリと一緒にいるとなんか劣等感っていうか、卑屈になっちゃってすごい自分が嫌になる。マリに色々お願い事されてすっごく嫌なのになぜか聞いちゃう自分がいるし、もしわたしが聞かなかったら他の誰かがマリの隣に行くんだって思うとそれも悔しくて出来なくて。マリの隣がわたしじゃなくなったら、わたしは本当に必要のないただの引き立て役だったって認めることになるからそれも嫌で。実際今マリの隣にはエイミーとかいう知らない人がいるし。マリから離れて何年も経つのにやっぱりマリのことが気になってツイキャスとか見ちゃう自分がいる。でもあんだけ執着してたのに、いざ会ってみるとあーわたし何でこの人にこんなに執着してたんだろうって気持ちになってきたし、もう自分でも複雑すぎてこの気持ちはわかんないよ」

1億回のわかる。黒川の気持ちが死ぬほどわかる。中学生の頃、ただのおたくだったわたしはなぜか強めのグループに属していた。ヒップホップダンスをずっと習っていて学校帰りに渋谷などに繰り出している友人と、あまり学校に来ない不良グループと親しい友人とわたしの3人組だった。2人とも違う世界を知っているんだなと思っていたし羨ましかった。そんなグループにいることで、ただのおたくだけどわたしもちょっと都会的な?イケてる気がしていた。虎の威を借るとか腰巾着みたいな言葉がぴったりなのかもね。自分を持ってなかったわけだし、2人の言葉はいつもかっこよく聞こえた。

 

女3人のやりとりに収集がつかなくなった頃、突然南が「今何時!?やばい伏せて!!」と大声を出す。その瞬間、壁に一本の矢が飛んでくる。怯える3人をよそに「Tinderで矢を飛ばすのが趣味の子と知り合ってさ。でも飛ばす相手がいないっていうから僕でよければって言ったんだ」と、南はニコニコと話している。

「待って待ってわたしら以外にもTinderで知り合った人がいるわけ?」

「うん!えーーーと、3人を入れて14人かな?」

「…………14人に同じくらい優しくしてたってこと?」

「同じくらいかは分からないけど、僕に出来ることは大体やったつもりだよ!」

「弓矢飛ばすのすら受け入れてるんだからお願い全部聞いてあげてるでしょ」

 

 度重なる驚きの事実に段々と疲弊してきた3人と入れ替わるように、ここから怒涛の横手南のターンが始まる。男女の友情問題。先述したけれど、横手南にとって彼女よりも友達のほうが何倍も何十倍も重要な存在であるという部分が紐解かれていく。

Tinderを通して出会った女の子たちとどんどん仲良くなれていることが嬉しくて仕方がないという南に対し3人は「わたしたちのような犠牲者を増やしてはいけない」という思いの元、南の話に耳を傾け意見をぶつける。

「Tinderは出会い系アプリなんだよ?」

「うん。友達を作るためのアプリだよね!すごくいいよね!」

「恋人を作るためのアプリだよ。あんたがそうやって好意もないのに優しくしてくるから、そんなの好きになっちゃうに決まってるじゃん。失礼だよちゃんと出会いたい人に。」

「僕距離感とかわからなくて、いつも気持ち悪いって言われて友達全然出来なくて、でも初めて、初めてなんだ3人みたいに意見をズバズバ言ってくれる人は。だから僕はみんなともう会えないなんて嫌だ。だってこんなに仲良くなれたんだから!」

「あたしらは別にいい友達なんかじゃないからね。アプリで出会った友達なんて急激に仲良くなって親友みたいな関係になることもあるけど、ほとぼりが冷めたらそのあと一生会わないみたいなその程度の関係なんだよ。あたしらがこんなに喧嘩ができるのは付き合いが長いから。南くんはあたしらみたいな関係をすぐに築こうとするから変な距離感になっちゃうんだよ。好きになっちゃうよそんな距離感で来られたら。わたしたちは女で、南くんは男なんだから」

 

南くんは会話に慣れていないのか、時折話についていけずノートにメモを取りながら話に参加していた。「みんなの気持ちを理解したいんだ」と言って突然ノートに向かい始めたと思えば、わかったぞ!!と言って話に戻ってくる。変な方向に一生懸命で、人の気持ちには鈍感な南くんがどんどん可哀想に思えて仕方がなかった。

距離感がおかしいせいで同性にはゲイと疑われ敬遠され、唯一仲良くしてくれる人が現れたと思えばその人はゲイで。そんなことばっかりでようやく仲良くなれたと思ったら今度は告白されてしまって。具体的に横手南の何がどういけないのかずっと考えているけど、なかなかハッキリとした答えが出ないままもう数日が経ってしまった。南くんはたびたび理解した!!と言うけど、それは現象として把握出来ただけで別の人間なんだから他人の感情の動きを真に理解は出来ていないんじゃないかな。

帰りたそうにしている3人を無理やり引き留めて縋り付いて、結局自分が一人で寂しいから構ってほしい友人として自分を安心させてほしいっていう身勝手な考えがあるんだなあと思った。

クラスに一人はいたよね。別にものすごく性格が悪いとかお風呂に入ってないとかそういう明らかに孤立するような理由があるわけじゃないのにいつも1人でいる子。いじめられてるとかではないし話しかけられればこっちもちゃんと返事をするし。でもちょっと変わってて、たまに可哀想だからと思って声をかけたりするけど、あんまり構ってると仲間だと思われてついてきちゃうから適度に距離を取るみたいな、そういう子。

わたしは自分が悪いやつだと思いたくないから適度に話しかけるタイプだったけど、それはわたしが優しいからではなくその子が可哀想だから。少し下に見ていたと思う。多分マリだったら聞こえるように悪口を言うんだろうな。わたしにはそんな勇気はないし、自分を良い子だって思うために、その子を利用していたと思う。でも南くんも優しくしていた理由は友達になりたいからっていうら下心があったわけだしお互い様ということにはならないだろうか。

そんなことを考えていた。南くんは一度病院に行ってみたほうがいいんじゃないかな。あそこまでいくと発達障害だと思う。

 

舞台の感想ブログあんまり書かないからどうまとめればいいのかわからなくて内容をほぼ全部書いてしまった。スーパーストライク、めちゃくちゃ面白いからわたしの知り合いみんなに観てほしい。感想が聞きたい。こんなに面白い演劇を観ることが出来てとにかく幸せでいっぱいな気持ちです。

 

おしまい

平常な価値観とは

おた卒(仮)の1年間をかけてようやく取り戻した平常な価値観と金銭感覚が出戻り半年で完全に死んだ。 

ちょっとでも嫌なことがあったら即辞めたいとか言ってたのに胃腸炎になってもおたく続けてるし、プレ1回に数万とかを平然としてしまっている。もっと他に使うべき場所があるのに。まわりに似たような人ばっかりいるとこんなにも簡単に狂うものなんだな。勉強になった。

今はまだふと正気に戻って自分にストップをかけてあげられる精神状態だけど、これからどんどん時が経つにつれて正気な自分もいなくなっちゃうんだと思う。正気を失ってもどうせ大した稼ぎじゃないから大ごとにはならないんだけど。ホストとかじゃないだけマシだなと思う反面、逆にあれがほしいこれがほしいとかもっと現場に来てよって言われてるわけでもないのに自主的に時間とお金をつぎ込んで価値観と金銭感覚が狂わせてる現状が結構やばい。

どのブログか忘れたけど、前に"貢ぎ=あげた服を推しが着ているjpegを手に入れる方法"みたいなことを書いている人がいてまじで天才かと思った。今はそんなことないけど、出戻る前は推しの趣味を把握できてなくてあげたプレを結構ドブらせてて。前の推しはほぼ100%着用だったからドブるのとか初体験で、プレ関係で凹むことも少なくなかったからこの考え方は目からウロコだった。最終的に遠回しに指定されたものを買うみたいな状況になったこともあったけど、今は方向性を変えたみたいでとりあえず厨プレは必ず一回は着た写真をSNSにあげることにしたっぽい。ゲーム性が死んでつまんない。つまんないし、今多分歴代最高にプレをもらってる時期だから厨プレに厨プレを合わせた結果地獄みたいなコーディネートになってる。しかもそれをおたくが〇〇くんダサいって言ってて、結構つらいけど正直ちょっと面白い。

嫌いなおたくもいないし推しの仕事も順調だし、気に病むことは何もないのに、自意識を拗らせてブログとかを深読みしてしまった瞬間の自分が気持ち悪すぎて本当に無理になってきた。おた卒期間におたくなんて所詮お金を出すだけの係なんだよって思いすぎてそれが今のわたしの呪いになっちゃってる。つらい。〇〇くんはこんなにファン想いのいい子なんだ最高!!と思った瞬間に横で別のわたしが"っていう営業おつです!!"って言ってくる。

今の推しの好きなところは顔とお芝居してるところなんだし、この際接触系全部行くのやめて舞台だけ観に行こうかなって考えたけどやっぱり行けるイベントに行かないという選択を出来るほどゆるおたになれてないみたいだ。どうしたらいいんだろう。あとなんかわたしは今の推しを応援しようとすると半年ごとに今後を左右する分岐点に立たされる決まりがあるみたいだ。価値観と金銭感覚とは完全に別件で、前回は厨降りの道を選んだけど今回は出来ればそっちは選びたくないけど〜けどけど!!推しの現場は全部行くに決まってんだろ!!!みたいな無限に湧き出るエネルギーみたいなものはもうわたしにはないし、嬉しいことやら寂しいことやらがあるたびにいちいち我に帰る瞬間があるのが地味にキツい。お金どうこう以前の問題。

めちゃくちゃ楽しいのに、楽しければ楽しいほどつらいです。謎病み。時間の無駄。

 

おしまい。

わたしと彼氏と2.5次元

おたくを隠すか隠さないか問題、わたしは隠せない派。

今の彼氏とはいわゆる街コンで知り合ったんだけどそういう系のやつってもれなく自己紹介があるじゃん。もうわたしみたいな青春をバイトとおたくしかしないで過ごしてしまったような人間はパンピとの共通の話題なんて1つもないわけよ。どう転んでも小さい嘘はつかないといけなくなるのがしんどくて、自己紹介の段階でおたくだったという話をした。(街コン当時は現役だったけど過去形で話した。)もちろん嬉々として話したわけではなく、単にわたしの人生の中でそこそこ面白い思ってもらえそうなネタになる話がおたくの時の話しかなかったから。

そんなこんなで彼氏作って1年半ちょい経つんだけど、最近スケジュール調整が本当に大変で死にかけている。

最初の一年はおたくやめてたからよかったんだ。年中暇だったから。でも半年前くらいにおたく出戻りして、たまたま推しが仕事の多い人だったことと、テニモンとしての活動を積極的にしてしまったためにここ半年は土日祝日はほぼ家にいなかった。遠征もしたし。正直キツかったし2回胃腸炎になった。彼氏がテニモンになってくれれば"推し・デート・テニミュ"が"推しテニミュ"に省略できるのになみたいな邪なことを考えていた。

そんな最中、1ヶ月くらいまえに突然彼氏から「ハイステに行きたいって言ったら一緒に来てくれる?」というLINEが届いた。

 

  • 彼氏・・・一切おたくではなく、2次元も3次元もどちらのおたくだったこともない。AKB黄金期に友達にくっついて一度コンサートに行ったことがあるらしい。その程度のエンタメ歴。ねもしゅーに2回一緒に行ったことがある。

 

突然のLINEの意味がわかんなすぎて電話を掛けると、どうも週刊少年ジャンプを読んでいたところ広告が目に入り、行きたいと思ったとのこと。ツッコミどころが多すぎて逆に何も言えなかった。身近にわたしのようなおたくがいるので舞台にそこそこの馴染みはあって、かつハイキューが好き(普通のスポーツ漫画として)とは言え、ジャンプの広告って本当に効果があるんだな…と感動してしまった。ハイステとか正直少しも興味なかったけどこの先こんなこと言われるの2度とないかもしれないと思って急いで譲渡を探して、その週の土曜に一緒に観に行った。

ライブビューイングと迷ったんけど大千秋楽相当先だったし鉄は熱いうちに打ったほうがいいと思って。観劇当日彼氏は事前に色々と調べていたらしく、影山が楽しみと言っていたけど今回の影山違う人だよと伝えたらめちゃくちゃガッカリしていた。「影山役の人(きむらたつなり)だけバレー経験者だからフォームとかすごいらしいよ!!」とゆうていた。そうなの?

 

いや、正直、正直ですけど、生で観に行ったのは失敗だった。会場がTDCだということを全く考えていなかった。1バルサブセンだったんだけど、全景見えるし観やすくて結構いい席だったなとおたくのわたしは思ったけども、やっぱり表情まではわからないし何より舞台上にキャストが多すぎて今何が起こっているのか誰が喋っているのか、全くわからなかった。原作知っててギリ。

しかも今回公式戦じゃなかったし、色々とタイミングが悪かった。あとまあ男性だしやっぱり座高がそこそこあるので、後ろを考慮して浅く?座っての観劇3時間は相当しんどかったらしい。TDCだしな。ライブビューイングにすればよかったと心から思った。あと個人的にハイステの演出が私自身無理すぎて身も心もしんどかった。

 

そんなわけで第一回戦は失敗に終わったわけです。

①席が遠く表情が見えないこと

②椅子がよくないこと

③話が分かりづらい回だったこ

この3点が主な失敗だったかと思う。ので、昨日テニミュ立海大千秋楽のライブビューイングに連れて行った。正直彼氏がハイステをめちゃくちゃ面白い!!と褒めたとして、わたしはまるで興味がないのでハッピーエンドにはならないんだよね。わたしの休日を確保するには彼氏にテニモンになってもらうのが最良なんだよ。今回の立海は大変お歌も上手なので、これでダメだったらもうテニミュを好きになるのは無理だなくらいの気持ちで連れて行った。

わたしは2nd関東立海とともにテニミュを卒業して今作で舞い戻ってきたわけですけど、ライブビューイングを観るのは5年…?6年…?ぶりくらい。そんだけ空くともうライブビューイングがどんな感じかもまあ覚えてないですよ。思ったより画質悪かったね。あとちょっと席が前すぎて見辛かった。でもやっぱ映画館の椅子はめちゃくちゃ偉大で、一回も腰痛くならなかった。すごい。

ライブビューイング特典で開演前アナウンスの映像があったんだけど、幸村くんの顔面に感動しててうけた。幕間で「リョーマの役の人は歌がちょっとあれだね…」ってゴニョゴニョ言ってたからそれがテニミュだよとしか言えなかった。1幕ってリョーマくん帽子を深く被っているのでライブビューイングだと顔が殆ど分からないんだよね。2幕はにちかちゃんの大正義の顔面がバンバンドアップになるのでめちゃくちゃ興奮した。

「最初は歌下手だと思ったけどだんだんこんなもんかなって気がしてきたし顔がかっこよすぎてやばかった」

「俺、今日気付いたけどバンパイアっぽい顔の人めっちゃ好きだわ…」

とゆうていた。バンパイアっぽい顔=にちかちゃんのことです。終演後ご飯食べたけどだいたいリョーマの話しかしてなかった、、、。その実、どこまで楽しめたのか、本当に楽しかったのか、わたしに気を遣っているのかどうか知らないけど嫌と言わない限りは次の比嘉も一緒に行くつもり。

まじでテニモンになってくれないかな〜。わたし友達あんまりいないし家族以外で1番会う頻度高いの彼氏だからテニモンになってくれるとスケジュール管理が本当に楽になるんだ。テニミュは楽しいんだよ。すっっっごい楽しいから好きになってくんないかなあ〜〜〜〜。なんか日常生活でテニミュの歌歌ってしまうときって結構あるじゃん。あるんですけどわたしは。そういうとき、横から歌に入ってきてほしい…。無理か。無理かなあ。好きになってくれないかな〜。

 

おしまい。

演じなくなった推しを好きでいられる自信がない

俳優が歌手活動を始めたりアイドルが俳優や女優業をすることは往往にしてあるけれど。推しが本来とは違う活動を始めた場合は、やっぱり有無を言わず本業と同じように追いかけるものなんだろうか。世の中のおたくである人たちの一般論として、どうなんだろう。

ガチ恋(仮)でなくなったことを自覚してからというもの、そんなことをずっと考えている。ガチ恋の思考回路はとても単純なもので(私の場合は)、彼そのものが丸ごと全部好きなので仕事内容が何であれ全て行くというのが当たり前なのだ。それがつまんなかろうが趣味と違おうが、どうだって良い。推しが動いているところが観られればそれでよかった。

"ガチ恋じゃない場合"というのはすなわち彼という芸能人のどこか特定の部分を好きで応援しているということである。例えばそれが芝居だったり歌唱力やダンスだったとしたら、そうでない新しい境地に踏み込んだ推しを変わらず追い続けられるんだろうか。そういうファンの割合って一体どれだけなんだろう。ガチ恋とは言わずも、推し人間性が好きな場合はどんな仕事だって変わらず応援出来るかもしれないな。

今応援している人がもしこの先全然違う世界に行ってしまったら、残念だけど私はもう応援出来ないなあと思う。それって引退しちゃうくらい悲しいな。だって芸能人は続けてるのに自分の好きな推しの瞬間をもう見られない。つらい。

平行して両方の仕事をする場合が1番多いだろうけど、それでもその片方の仕事の時間を元の仕事に使ってくれたらなって思ってしまうと思う。これは完全にわたしの願望なのでそれを推しに言うことは出来ないしそんなこと言うのはファンとして失格なんだろうけど、ずっと役者一本でいてほしい。歌いたいならミュージカルに出ればいいじゃない。ファンミで好きな曲歌ったらいいじゃない。

心が狭くてごめん。でも役者をやっていない推しを、変わらず好きでいられる自信がない。どうか頼むよ。

 


アンジュルム『わたし』(ANGERME[I am.])(Promotion Edit)

おしまい

 

その他-りさ子のガチ恋♡俳優沼

本編関係ないからエントリ分けます。

 

skr21.hatenablog.com

えっしょーたくんさ、2.5でシリーズになるほど人気な作品の主演てことは絶対ガッツがいるじゃん。

りさ子じゃなくて、りさ子よりもうちょっと若くて座席積んで出待ちしてるようなモノホンのガチ恋のリア1人くらいいるでしょ???しょーたくんのTOは一体どこで何をしてたんだろうね。

りさ子の存在すら知らなそう。

 

その描写が一切ないということはりさ子はまじで若俳現場新参なんだろうな。同厨とパセラで鑑賞会やってるくらいだもんね。自分は特別って思い込めるような人は同厨拒否とかなさそう。

 

Twitterのリプでしょーたくんにだる絡みしてる厨がいる云々の話を友達3人でしてたときもあんまり関心なさそうだったしりさ子の地雷はカノの存在ただひとつだったんだな〜。

 

しょーたくんの炎上が始まってからもりさ子は愚痴垢を作ったり激昂してアンチにジョブチェンジしたりはしなかった。ただただやめて…って耳を塞いでただけ。

頭のおかしな彼女なりきりブログさえなければ善良なファンだったのにね。

クロムハーツくれるし。

 

りさ子のガチ恋のTRUE ENDはどこだったんだろう。しょーたくんの炎上でそのまま降りちゃうのが一番よかったのかなあ。

 

それかそのまま2次元に戻ったほうが幸せだと思うな。りさ子全然対応されてたわけじゃないし3次元の美味い蜜吸わないまま戻った方が良いと思う。

しょーたくんに認知良対応されてたとしてもどの道炎上が待ってたわけだし、良対応だろうが炎上した時点で世界の終わり。

運が悪かったね。

 

 

おしまい。

 

みんなの心に棲む-りさ子のガチ恋❤︎俳優沼

このブログに辿り着いた人は若手俳優のグループからの人と、

2年前に書いたガチ恋に関するエントリから来た人がほとんどなので本当に"ガチ恋"というワードの強さをハチャメチャに感じる。

ガチ恋だった私の今と昔 - さくらまつり

 

そんなわけで『りさ子のガチ恋❤︎俳優沼』を観てきた。

チケット取りを張り切りすぎて推しもいないのに最前でみた。

 

"ガチ恋"って単語、最近よく聞くけど語源がどこなのか知らないし、定義もあるのかどうかもわかんない。

正しく説明出来る人なんているのかな。そんな造語を舞台にするのはめちゃくちゃ難しくない??と思ってたんだけど。

 

26歳、彼氏なし。OLりさ子の趣味は舞台観劇。
大好きなイケメン俳優しょーた君を追いかける日々。
彼が出演中の2.5次元舞台『政権☆伝説』に大ハマリ中。

最前席で全通。グッズもコンプ。そして高額プレゼント。
「がんばってる姿を観られるだけで幸せ」そう思いつつも。
彼のちょっとした「特別扱い」に心ときめいていた。

ある日。ネットでしょーた君に彼女疑惑が持ち上がる。
彼との匂わせを繰り返す女が気になり暴走するりさ子。
エスカレートする迷惑行為。その行きつく果ては……。

俳優とファン――「この関係で、私の気持ちは届くのかな?」
演劇業界の闇に切り込む、見て見ぬふりをしたかった愛憎劇。

 

主人公、りさ子。

シリーズものの人気舞台、政権☆伝説の主演のしょーたくんのファン。

政権☆伝説の規模がどの程度のものなのかはわかんないけど、シリーズものの主演がプレ手渡しの接触イベントできるってどのくらいの人気だろ。

 

あらすじを見るに、りさ子は毎回最前全通なのに顔認知どころか初めましてって言っちゃうしょーたくんまじでどうかしてる怖い。と思ったけど、りさ子は多分特徴のない顔なんだろうね。

 

接触イベントがない段階のおたくなんてめちゃくちゃかわいいかめちゃくちゃブスじゃないと覚えられないか多分。

 

気の毒だけど、りさ子もりさ子で認知されてるとか自分はちょっと特別なファンだって思いこんでた根拠がとにかく謎。

りさ子自分の着てる服と同じ柄の封筒でファンレター書いてるんだよ。ちょっと怖いよ。

 

しょーたくん女優の彼女による匂わせで炎上しますけど、しょーたくんすげーいい奴そうだった。

真面目で仕事にも真剣に取り組んでそうなのにオツムがめちゃくちゃ弱い。勉強の出来なそうないい奴。残念。サッカーがうまそうなかわいい顔だった。

 

台本真剣に読んでるのにカノがちょっかいかけてきても怒らないし(やさしい)、

ファンからもらった飴をカノが勝手に食べて、その写メをTwitterに載せてるとき横にいるのにそれが匂わせになるということに気づけていない。バカだから。

 

政権☆伝説はしょーたくんが主演で、脇に秋山くん(秋葉友佑)という子がいたんだけど

うわ〜〜手作りじゃんまじ無理…

触るのも無理ッスわ〜〜

とか言ってプレを楽屋のゴミ箱に突っ込んでるのに、一緒に袋に入ってる手紙はちゃんと抜いてるの推せた!!!!LUSHを共演者の女にちょーだい!って言われても横流ししないのも推せた!

わたし秋山くんのおたくになる!!!

 

秋山くん、しょーたの厨に腐アピが酷い、しょーたの人気に乗っかろうとしてるって散々言われてたけど貪欲な感じがとても推せるので頑張ってほしい。

 

わたしは2.5の俳優の厨ではないけどこの界隈にいればまあまあ耳にする単語がたくさん出てきた。

どちらかといえば年齢高めの厨がいいそうなやつ。

 

厨と役者の繋がりがどうとかは全然出てこなかった。りさ子は出待ちとか非公開をガッツリしてるおたくではなかったようだ。

りさ子周辺の応援スタンスだとかつるんでる厨の層がそのへんで大体わかるなあと思う。りさ子の個スレは多分一生立たないな。

 

見守る、親目線、笑って仕事が出来てればわたしも幸せ、推しのために仕事してる、推しがいるから頑張れる。

そういう系。りさ子26歳だし、がむしゃらにリフレとか風やって捨て身で応援出来るほど若くないんだな。若気の至りだよねってヤラカシを笑える年じゃない。

人間関係苦手そうだし、おとなしい地味なおたくだった。TDCにいけば大量にいる。

 

りさ子最前全通なのに出待ちガッツじゃないの逆にすごくない?いや出待ちはしてたけど。急に後ろから声かけてちいさーーーーい声で、

「おつかれさまでした…かっこよかったです……頑張ってください……」

とかゆうてんのウケた。そんなんで出待ちする意味あるのか。

 

りさ子は政権☆伝説の原作のゲームのファンだったらしくて、おそらくは原作ファンから舞台を観て俳優沼に落ちたタイプなのかなあと思う。

そう考えるとあの思い込みの激しさとか暴走は、アラサー超えてからプライベートでは触れ合えない男への感情を拗らせた結果なんだなあととても納得が出来る。

 

この舞台を観てガチ恋はそんなんじゃないとか、違うとか言うのはナンセンスなんだろうけど、

やっぱりりさ子の応援スタンスをガチ恋という言葉で括るには違うんじゃないかな〜。

 

わかってほしさみたいなものの権化というか、見つけてほしい、自分という存在を個人として見てほしい、ありがとうって言ってもらいたいし言ってもらえることをしたいって思ってただけなんだよね。

カノのるるちゃんは名前を呼んでもらえるのに、るるちゃんだけに見せる笑顔があるのに、

いつも通って最前に座ったり全通したりクロムハーツあげたり、喜んでくれたらなって思って365日ずっーーーとしょーたくんのことを考えてるのに、こんなに好きなのに、ファンってだけで一般人というだけで、「初めまして」って言われちゃう。

こんなに好きなのに。

 

その気持ちをうまく言語化出来る人なんていないよ。

多分アイドル追ってた時代のほんとにガチ恋のときより、元本命時代の見守る系( )を拗らせてたときのわたしの方がりさ子の叫びは響いたと思う。

 

エゴだなんてわかってるけど、わかってても自分を納得させてあげられる言葉が自分で思いつかないんだよ。

彼女作らないでよなんて言えないけどさ、思うことだけは許してほしい。

 

ガキさんの長台詞が本当にすごくて、りさ子の魂の叫びの引力がすごかった。あんなに泣きそうになりながら絶え絶えになりながら話してるのに聞き取りやすくて。

りさ子のことは全く擁護出来ないけど、りさ子の気持ちを1%も分からないなら若手俳優やるのは向いてないよね。

 

りさ子に感情をぶつけられたしょーたくん、おそらくは誠意を見せたかったんだろうけどTwitterで交際宣言をします。事務所を通さず。

しょーたくんは本当に頭が良くないんだなと思った。みんながそれで納得して付いてきてくれるって思うのかな?バカなんだなあ。

事務所に干されてファンもいなくなって、るるちゃんの立場も悪くなって破綻という未来しかわたしには見えなかった。

 

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Twitterのつぶやきが出る場面はみんなペスト医のマスクを模したものを被っていた。薄気味悪かった。

 

 

はい。ここまで大体2700字。

内容の細かいところを書いて満足したのでその他諸々。

 

端的に言うとわたしはこの舞台つまんなかったなと思ったところが多かったので、そう思った理由も忘れないうちに書いておきます。

 

若手俳優おたのつぶやきとか関係性とか、あるある〜〜っていうのが山ほど出てくるけど、出てきすぎてロールプレイングのようになっていてシーンの一つ一つが長かった。

なんか別にそういうのってあるあるとしては面白いけどお金払わなくても現場いけば見られるし体験できるし、そんな長く時間取る必要あったのかなと思った。くどい。

追っかけをする人の気持ちが全く分からねえみたいな人は勉強になるのかもね。

 

ラストのガキさんの長台詞がめちゃくちゃよかっただけに、もっとりさ子の内面にガッツリ焦点を当てた場面が観たかったなあ。

厨のダークな部分も、演者のダークな部分も両方描かれていて偏りがなかったのでどちらに肩入れするということがなかったのはとてもよかった。

転じて、りさ子の応援スタンスを良いとも悪いともはっきりとは決めないので毒にも薬にもならんみたいな。

なんだろうな、単純に戯曲と演出がつまんなかった。

演劇業界の闇に切り込む、見て見ぬふりをしたかった愛憎劇。

とあらすじにあったけど、切り込んだその先がなかった。ただの再現ドラマ。

 

 

比較するのはやめようと思ってたけど、歌手の追っかけおばさん3人組の話だった根本宗子さんの『皆、シンデレラがやりたい』おたくでいられる強さ-M&Oplays『皆、シンデレラがやりたい。』 - さくらまつりは物語がちゃんとあったので戯曲としてそっちの方が格段に面白かった。

そんな感じ。

 


スマイレージ 「同じ時給で働く友達の美人ママ」 (MV)

 

いっこだけ言いたい。るるちゃん役の人、ナイスおっぱい!

 

おしまい。

敬語だった頃のほうが

オタ卒(仮)前に追っていた人に出戻っておたくをしている。おたくやるのがしんどくなって本命を降りた時の降り先の人である。

1年半前まではお互い敬語で話していたはずなのに出戻ってからは何故かお互いタメ口になった。いつそうなったのか全然思い出せないけど気兼ねなく会話が出来るようになり、クソみたいな会話が出来るようになったので今すごく接触が楽しい。そもそもお金が取れると分かればとことん取りに来る系の事務所なので接触現場が多いのだ。話せる回数が元本命よりめちゃくちゃ多い。楽しい。

だけど、接触は楽しいけど。

わたしはもともと推しが神様の世界で信者のように生きていたおたくなのだ。接触のすくな〜〜〜〜い現場でたまに会話が出来て緊張して緊張して、話せて嬉しくて泣くようなおたくだったのだ。接触が少ない為に推しという人間に理想の人物像を投影し、今回も推しは素敵な人だった。またプレゼントを着てくれた。ファン想いで素晴らしい人だ。って、崇め奉っていたような、思い込みと信仰心で今までやってきたおたくなのだ。教祖様によく思われたいという気持ちが全ての原動力だった。

本命とタメ口なんて初体験だから今知ったけど、タメ口で適当な会話が出来る人はわたしにとって神様にはならないみたいだ。

そんなわけで崇め奉らないでおたくをする方法がわからなくて狼狽えている。友達みたいに話せるのに友達じゃないし、信仰対象でもなかったら彼は一体わたしの中のどのポジションにいるのだろう。

お芝居が好きだから応援しているけど、プレゼントあげたいなって思うし使ってくれたら嬉しいし、長い手紙も書いていて、宗教時代とやってることは特に変わらないのに気持ちの方向性が分からない。理想像を投影出来ない相手にガチ恋は出来なくて、でもプレゼントはあげたくて、おそらく今わたしは歴代最高に純粋な気持ちで俳優を応援しているんじゃないだろうか。嫌いとかきもいと思われても別にいいし、炎上しても芝居を続けてくれるならどうでもいい。わたし今良いおたくすぎない?

ただひとつ、邪心なく応援出来るようになった代償として必死さを失った。よく思われたいという動機を失ったら死に物狂いでおたくをやる心が死んだ。モチベーションが壊滅状態。現場に行くの週一でも多いかななんて思い始めてきている。わたしはさっさと結婚出来るように頑張って現実を生きるから、きみもどうか俳優として大成してくれたまえ。全通もしないし全通どころかそんなに現場に行かなくなったけどきみが売れることを願っているよ。今わたしは俳優に頼らなくても自力でなんとかやれているから、人間生活をやるのがしんどくなったらまた沢山通い出すんだと思う。だからどうかそれまで仕事が続くよう彼にお金持ちのファンがたくさんつきますように。

ガチ恋おたくがガチ恋じゃなくなるとお金をかけないでおたくをするようになるということがわかりました。現場からは以上です。

 

おしまい。