虚構の現実が観たいのだ/ひとりぼっちのみんな「デトックス述懐」

推しがでてるそこそこの舞台と、推しは出てないけどおもしろそうな舞台 - さくらまつり

 こんなエントリを書いてから自覚したけどわたしは多分演劇が好きなわけじゃない。シュチュエーションドラマを見ながらあるあるわかる!!ってするのが好きなだけなのだ。

ファンタジーもサスペンスも興味がない。一度に数百人程度しかいられない空間で現実よりは多少大げさに描かれた人間の関わり合いが観たいだけなんだ。と、先日タイトルの舞台を観て思った。

 推しが出る舞台なんてほぼ全部内容に興味がない。推しの芝居ありきで追ってるから作品を観た後でその後の自分の糧になってるなあって感じたことが殆どない。クソ舞台を観たことはあんまりないけど良い作品だったなあって思うこともかなり稀で、それは単にわたしのストライクゾーンがめちゃくちゃ狭いだけだったんだな。

 この間、ひとりぼっちのみんな「デトックス述懐」という作品を観た。チケットは1500円だった。観に行こうと思った理由はいくつかあるけど、脚本演出がねもしゅーの演出助手の人だということと、猪股さんが出ているからというのが主。ほかにもいくつかあるけど。

わたしは演劇的演出*1*2がめちゃくちゃ苦手で正直この作品にそういう演出はかなり沢山あったけど最近観た作品の中ではかなり良かったなあと思った。

 例のごとく女同士の空気感やクソ男が出てくる話だった。演劇の短大で本気で演劇をやりたい子、なんとなく入っただけで本気じゃない子、芝居が出来て尊敬されてるけどヤリチンの男、すぐヒステリーを起こす子、友達の彼氏の家に泊まって揉める子、ヤリチンはクソだと思いつつ自分がそう言う流れにならないとガッカリする子。そういう一言ではうまく説明出来ない出来事が目の前で繰り広げられるのがわたしはめちゃくちゃ好きなんだなあと思った。修羅場愛好家。

 20歳の誕生日を迎えて「わたしにはもう価値がない」とか言っちゃう女、わかりみしかなかった。わたしは今21歳だけど、めちゃくちゃ若いって分かってるのになんで焦っちゃうんだろうなんなんだろう。日本への不安?

他にもそういうことを描いた演劇があるなら知りたい。本当に知りたい。チケット代に上限はつけないけど多分こういうのをやってるのは小劇場系な気がするし、もはや演劇じゃなくても全然良い。東京03の対立のコントがめっちゃ好き。ヤマシタトモコ先生の「HER」も大好き。自分の好きなジャンルをようやく理解出来たから劇団の見当もつけやすくなった。よかった。

デトックス述懐、めちゃくちゃにオススメはしないけど*3わたしはすごく好きでした。

 

 

おしまい

 

*1:舞台上にいるキャストが誰ともなくひたすらに全員心情を話したりとか

*2:舞いながらセリフを言うとか

*3:苦手な演出がまあまああったから。でもそれがプラマイゼロになるくらいには楽しかった。チケット1500円だし

推しがでてるそこそこの舞台と、推しは出てないけどおもしろそうな舞台

タイトルの通り。 

おたく休業中の1年間、若俳のあんまり出てない舞台を結構観に行った。今まで劇団名は聞いたことあったけど行ったことはなかったやつとか、チラシの束を見て気になったやつとか。

推しがいた当時はついつい推しにお金を使ってしまって、気になる舞台があってもちっともお金が回らなかった。そのせいでものすごく偏った舞台鑑賞だったから、そういうしがらみから解放されてやっと自由に色々手をつけたんだけど、正直引きが悪くておもしろいと思う作品は殆ど観られなかった。

 

そもそもわたしのようなおたくの採点方法は、推しが出ていれば無条件に60点くらい加点されて、作品自体がそんなにおもしろくなくてもそこそこの満足感は得られる。推しかわいいし。かっこいいし。推しが頑張ってて舞台の上で動いてればチケ代分の満足感は得られる。

ただ推しが出ていない舞台になんとなくおもしろそうというザックリとした気持ちで行くと、おおよそ 「まあつまんなくもないけどとびきりおもしろいわけでもなかったな」 みたいなのばっかりだ。その手の舞台は40点くらいしか点数がつけられない。推しが出てれば100点になるのに。

 

そんな曖昧な採点基準のわたしは2016年頭から今まで、40点を超える舞台をほとんど観られなかった。 本当にはずれを引きまくった。必ず1回は行くって決めてるのはねもしゅーと柿だけで、一向に増える気配がない。

 

こうなってくると、まだ見ぬ当たりを目指しておもしろそうな舞台を探すよりも推しの出てるまあまあな舞台に行き続けてたほうがいいんじゃないかって気がしてきた。

死ぬほどつまんないっていうわけでもなく、どれもそこそこはおもしろいんだけどタダチケあるから明日も来ない?って言われたらまあ行かないかな。みたいなのばっかりで、演劇ソムリエみたいな知り合いがいればなあってここ1年ずっと考えている。

 

おもしろい舞台、教えてください。

突然コンテンポラリーダンスみたいな舞をしながら台詞を言ったりしなくて、メタが一切なくて、社会風刺の含まれた口語劇が観たいです。キャパ300以内くらいの劇場でやってて、踊りながら場転とかしないところがいいです…

 

厳しいんだ。ねもしゅーを知ったのは口コミだったけど、おもしろくない舞台を知ったのも口コミだ。超超おもしろくないと近くない劇場へ行って2時間奪われて4000円くらい払ったことについて自分を納得させるのが大変で、最近は悔しくておもしろくなかった舞台のおもしろくなかった理由をひたすら考えてる。

ずっと考えてるとおもしろくなかった理由が腑に落ちてそれならまあ仕方ないって思える気がする。

 

どうかわたしにおすすめを教えてください。

 

おしまい。

 

 

喉元過ぎれば熱さを忘れる

前回の更新から早4ヶ月。つまり一般人生活がつまんないからテニスのおたくとして生きる!!!と宣言してから4ヶ月。我ながら体を張ったギャグかと思うけど、あのエントリをあげたひと月後くらいに推しが出来た。

 

俳優のおたく→一般人→2.5舞台のおたく とか結局何も変わってないじゃんって思うけど、チケ代プレ代花代がチケ代だけになったんだから大きな進歩だし、個人を追うのから急に変えるのは絶対無理だからこの1年間は方向転換のための最短ルートだったんじゃないかな。

 なんて偉そうに書いたけど結局あの後プレも買った。テニスはテニスでチケットを取ったし、オタ卒した時に貯金額増やしたままだから手元に残るお金はおたく時代より減った。今現在金銭面でも時間の確保の面でも大変なプライベートを強いられている。花禁なのがせめてもの救いだ。

 

今の推しは月に半分以上現場があるので、しがないOLのわたしには有給を使い切っても全通なんて到底不可能だ。全通したけりゃフリーターになる他ない。

もちろんそんなことは出来ないので土日にしか現場に行かないし、土日のどちらかは彼氏に会わないと振られてしまうので、現場に行くのは週末の片方にしている。平日5日間働いて、週末は現場と彼氏で終わる、という生活をしている。

オタ卒から1年半。オタ復帰からは4か月。

いろいろ辛くておたくをやめた1年半前からは想像できないくらい、わたしは今"ゆるおた"という生き物になることができている。

 

月に10回くらいしか現場がなかったら予定を無理矢理調整して全部行ったかもしれない。ここまで完全に無理な状況になると"回数なんてどうでもいい"という方向に自分を納得せざるを得なくなって結果的に回数に執着がなくなった。(正確に言えば無理やりなくした。)

一般人化計画は失敗に終わったけど彼氏もいない、推しのためだけに働いて、月に5日間くらい舞台を連続で観に行って、花とチケとプレ代で財布を空にして残りの25日間を病んだりしながら過ごす生活に戻る気も毛頭ない。

 

非オタは暇だ。オタクだって活動してない期間は暇だけど、他に趣味の無い非オタはとにかく精神的な毎日が半永久的に続く。毎日をボーッと過ごすくらいなら、推しに干されたオキラだ同厨が無理すぎるって負の気持ちに包まれ病んでたほうがまだマシだと思う。

でももう趣味で辛い思いをしても乗り越えるパワーがわたしには出せないから、とにかく頑張ることをやめた。いまは幸せを手に入れるためだけの為にお金を払っている。

ちょっとでも病んだら即別現場に乗り換えたいし、まわりの友達が地下とかでつらそうにしてるのを見ると辞めればいいじゃんと思う。支えたいとか、お金を出さなきゃ会えなくなった時に後悔するとか、そういうのを全部、考えないことにした。推しが引退したらその時はその時だ。

 

なんかもう思い出せないんだなにもかも。

俳優を人間としてめちゃくちゃ好きで、干されたら泣いて、良対応でもどうせ機嫌取りでしょとか病んで、嫌いな同厨への憎しみを燃やして、死に顔しながらプレとか買ってた時の気持ちが。あんなにつらかったのにどうして中々ファンを降りられなかったのかも、全然思い出せなくなった。

 思い出せないから、あの熱狂への戻り方もわからなくなったし、まあ戻る必要もないのかな、とふわふわした気持ちで現場に週一で通っている。つらいオタ活の先に、頑張って良かったと思える瞬間があったのは間違いないんだけど、その為に身も心も財布もすり減らす体力も時間もない。

 

推しより先に結婚するのが今のわたしの夢だ。ぜっっっったい先に結婚する。そして推しが結婚したら、心からお祝いしたい。多分今のゆるおたの状況でもわたしより先に結婚されたらきっと病んじゃうもん。

 

居場所が欲しかっただけなのかもしれない。

お金を払って現場に行ってれば居場所があったし、存在を認めてもらえた。推しが神様の世界で、よく思われたくておかしな思考を拗らせてしまった。現実に男が出来たら否が応でも将来を考えないといけなくなって、無理やり現実世界に連れ戻された。でも現実にも居場所が出来た。

はてなで近況を書くたび、状況が変わりすぎていることを実感させられるから、また次書くときはガッツになってるかもしれないし、推しが燃えて病んでるかもしれない。でもいまはそこそこの幸せを得られているから考えないようにするね。

安定したそこそこの幸せを手に入れたい。そこそこでいいんだ。とびっきりじゃなくて、そこそこで。

 

おしまい。

おたくでいられる強さ-M&Oplays『皆、シンデレラがやりたい。』

新年あけましてよろしくお願いします(喪中)。

 

この度、人間生活が本当にゴミクソ死ぬほどつまんなすぎておたくに戻る運びとなりました。 

この1年間本当に暇だった。用事のあるなしでなく精神的な暇がずーっと続いていた。この間観たテニミュが楽しかったからてにみゅのおたくになるよ。もうTSCにも入ったんだ。

 そんな決意をした1週間後くらいに、根本宗子さんの舞台を観に行った。号泣だった。

M&Oplaysプロデュース『皆、シンデレラがやりたい。』

 売れない歌手をストリート時代から応援しているアラフォーババア3人組のお話。

 

 ①仲良し(仮)同厨ばばあ3人組の大大大大好きなりっくんがカノバレしてしまう。

②3人は相手の地下アイドルのアンチと化し、あることないことをSNSやまとめに垂れ流す。

③ツイートの位置情報を元に地下アイドルが3人の元へ乗り込み、3人の愛するりっくんがいかにクズでどうしようもない男であるかを暴露する。

 

だいたい流れはこんな感じでしょうか。これだけだとどこで泣くんだよって思うけど、1年間おたく断食状態のわたしには全部がつらくてつらくてしょうがなかった。

 まず、カノバレする前の3人がとにかくとにかく楽しそう。

 

ライブでタオルをキャッチして、「あれ、りっくん絶対神保さんに投げてましたよ!!」「え〜そんなことないよ〜!」「いや絶対そうでしたよ!!!」ってキャッキャして仲良く三つに切り分けて匂い嗅いだり、

 「この間りっくんに握手でもっと前に出て行かなきゃだめだよって言ったら、でも僕はみなさんがいるだけで充分嬉しいのでなんて言ってたんですよ!」「あの子、芸能界でやっていくには優しすぎるのよ!!」

と将来を案じたり、 

売れてほしいけど遠くに行っちゃうのは嫌だなあと1人が言えば、

「馬鹿!あたし達はストリートの頃からずっとりっくんを"支えてる"んだよ?うちらが他とは違う、特別なファンってことはあの子だってちゃんとわかってるから!」

なんて、意味不明な励まし合いをしたり、側からみたら本当にいい歳して何言ってんだよって思うようなどうしようもない会話を楽しそうにしてるのがとにかく羨ましかった。

 

 おたくを辞めると本当にやることがないの。手紙を書くこともないし、ということは下書きを考える時間も必要なくなるし、封筒デコのための舞台モチーフシールを探すこともなくなる。

プレゼントを悩む時間も必要ないし、スタンド花を出すための花屋とのやりとりとか、乗せたい小物探しもしなくていい。毎月自動的に顔を合わせてた友達とも約束をしなきゃ会えなくなっちゃうの。

裏を返せば、たった一人の芸能人を好きになるだけで、毎日やることも考えることもいっぱいになるということです。好きな俳優がいるってだけなのにたくさんの趣味がそこから派生していて、おたくを辞めるってことはその趣味丸ごと全部必要なくなる。

無理にオタ卒して趣味を丸ごと失ったわたしは、本心は別だとしても共通の趣味を持った仲良しの友達がいるっていうことだけで羨ましかった。

 

ぬいぐるみを常に持ち歩いているロリータメルヘンセレブの角川さん。

旦那の金でスナックを開き、旦那の金でスナックの壁をりっくんのパネルが出現する回転扉に改造した神保さん。

1人だけお金があまりなく、2人から陰で節約の度が過ぎていると言われているしまむらユニクロLOVEの榎本さん。

 どれもわたしが将来絶対なりたくないと思っていたおばさん達だった。だけど本当に楽しそうだった。

"りっくんが大好き"という共通点のみの凸凹トリオで、劇中でも何度か「りっくんのファンじゃなかったら絶対仲良くなってないわ」という言葉が出てくる。

 

一ノ瀬陸がホストをやっていてそれを勧めたのがセレブの角川さんであることを三村まりあ(りっくんの彼女)が暴露すると、

「なんで教えてくれなかったの!?」「色恋はあったの??」

と、いままでまりあ対3人だった構図がセレブ角川対2人に変化する。

だけど、そんなの知らなかった!!と角川を責めた2人も、実はホストの陸に会いに行っていたことが分かるとはたまた状況は一変。

「実はホストクラブでのりっくんの話もしたかったの~♡」「わかる!!ライブのときとは違う姿もいいよね!!」

なんて、さっきまであんなに罵り合っていたのにホストクラブでのりっくんがいかにかわいくて素晴らしいかで盛り上がり始めて、おたくの絆の有り方が見事に表れていた。 

カノバレ直後も、ホストで稼いだお金を風俗嬢につぎ込んでいる事やまりあの妊娠に対して「俺の子って確証はないんだから堕ろせ」っていうようなクソクズ野郎であることが分かっても、誰一人りっくんの悪口を言わなかったところが印象的だった。

「もうなんか色んな情報が入ってき過ぎてどうでもよくなっちゃった」なんて台詞はあっても、一ノ瀬陸に対する言葉はなかった。

自分の推しがもしクズバレしたらわたしはどうするかなって考えてみたけど、わたしも多分推しに憎しみは湧かないかなあ。せいぜい呆れて降りるくらいで、幸せをもらってたことにかわりはないし攻撃することはないんじゃないかと思う。3人と同じように、推しの代わりに彼女へ憎しみが向くかな。

 

まりあが陸の悪行を洗いざらいぶちまけたあと、貧乏でケチな榎本さんただ1人だけがまりあに言葉をぶつける。

「あなたはそれをわたしたちに言ってスッキリしたかっただけですよね?今わたしがそれを聞いて不快な思いになっているということは、あなたのその発言がお節介だったということではないですか?」

「11時間パートをしなければ1万円を稼ぐことができないわたしは、自分で稼いでいない神保さんや角川さんよりもお金で得られる対価に対してよほど貪欲です。そしてわたしはまだ、今まで使ったお金の分を回収出来ていません。」

「お金を払って対価としてその見返りを受けているわたしは今あなたから聞いたことさえ無かったことにすれば、ずっとずっとりっくんと繋がっていられるんです。心でしかりっくんと繋がっていない不安定な関係のあなたよりずっとずっと強い関係なんです。」

 「りっくんと出会って、学生生活では味わえなかった体験をたくさんして、今すごく楽しいんです。わたしが今まで質素に暮らしてきたのはこのためだって思うんです。だからどうか、わたしからそれを奪わないでください。」

 

一見するとただ現実を見られていない滑稽なおばさんのようにも感じられる鬼気迫る榎本さんの言葉は、今までの誰の言葉よりもわたしを励ましてくれた。

この長台詞のあと「どんだけポジティブなのよ」って台詞があって、そこで客席はドッと笑うという場面があった。なんかもう本当に違うんだよ〜〜別に榎本さんはポジティブなわけじゃないんだよ〜〜と思って辛くて仕方がなかった。

榎本さんだってカノバレ前から彼女がいるかもしれないことなんてなんとなくはきっとわかってたと思うし、自分がそのポジションになれないこともわかってる。それでも笑顔を見たいし笑いかけてほしいし、色々なことに蓋をして、おばさんがなんとか自分で実現できる範囲の一番の幸せがそこしかないんだよ多分。

給料の殆どを追っかけに費やして、そんなわたしに否定的だった周りの人たちも、そんな周りの反応に不安を感じて無理矢理大好きなものから遠ざかったわたしも、本当に大馬鹿野朗だった。

おたくを辞めて、あー普通の人はこんなにも毎日をのんびり生きてるんだなって実感が得られたけど、その生き方を全く楽しく生きられない自分へのショックが大きかった。社会不適合なのかなとか思ったりして。

観たい舞台がたくさんあって、あげたいお洋服もやってみたいスタンド花のモチーフもたくさんあって、だけど使えるお金や時間には限りがあって、そういう取捨選択が楽しかったなあとか、お金や時間をこれだけ費やしているわたしはここにいて良い人間なんだって自己肯定感を感じてたなあとか。でも、誰になんて言われようと追っかけを続けるパワーがわたしにはなかったし、普通の女の子の幸せも手に入れたかった。

 

「角川さん、りっくんにホストになることを勧めてくださって、ありがとうございます。」と言って一礼し、スニーカーから貸してもらったCHANELのパンプスに履き替えてホストクラブに向かった榎本さんは世界で一番かっこよかったよ。

そりゃあんなクソ屑野朗をこれからも応援するなんてどう考えても正解じゃないだろうし、40過ぎてホストクラブに通うためにビキニキャバクラやるなんて平常な思考回路とは思えないけど何かに生活を捧げる楽しさを知ってしまったらもう戻れないよね。

 

六本木ツンデレラ

六本木ツンデレラ

シャンパンタワーのコールを満面の笑みで浴びて舞台の中心にいる榎本さんと、スナックのカラオケでトリセツを歌う榎本さんが重なって見えた。

これからもどうぞよろしくね
こんな私だけど笑って許してね

ずっと大切にしてね

永久保証のわたしだから

劇中で歌われるトリセツの他にも、後々皮肉だなあと思ったり、繋がってくる箇所があったりして今回初めて2回観たけど色々気づくことができて楽しかった。

「あ゛〜〜妊娠しそう」

「あの子旦那の連れ子だからさ、お腹痛めて産んだ子じゃないとぜんっぜん興味ないのよね」

「今度ミザリーの主演やるんです」

プロローグで赤いワンピースを着て現れた榎本さんはあの後ホストクラブへ行く予定だったんだろうなあとか。

 

あ〜〜正しいとか正しくないとかそういうのはさて置いて、夢中になれるものに飛び込んでいくときの快楽物質がドバドバ出てる感じをまた味わいたいなあ〜〜〜〜。思い出はいつも綺麗だけどそれだけじゃお腹がすくわなんてよく言ったもんだね。

俳優のおたく→一般人→2.5舞台のおたく とか結局何も変わってないじゃんって思うけど、チケ代プレ代花代がチケ代だけになったんだから大きな進歩だし、個人を追うのから急に変えるのは絶対無理だからこの1年間は方向転換のための最短ルートだったんじゃないかな。

悔いの無い楽しい人生を生きたいね。

 

本当に、どうしようもないおたくの話だったけど物凄いパワーで背中を押してもらえた。観に行ってよかった。ねもしゅー観て元気でるとか初めてだな。おたくの何が悪いんだよバカヤロー!!!!!って大声で叫ぶことが出来るようになれた気がする。おたくへの応援賛歌でした。

 

おしまい

ジェラピケはいいぞ

クリスマスにパジャマをもらった。

分厚いあったかいパジャマが欲しかったから頼んだけど、パジャマのプレゼントと言ったらやはり最大手なのか、ジェラピケだった。

ジェラピケといえばプレしたいものがないときにとりあえず上下で買っておけば安く済むでおなじみのありがたいお店である。しかしめちゃくちゃ他俳優と被る。わたしも2.3回くらい利用させていただいた。

そんなジェラピケだけど自分用に買うには薄給のOLにはとても高く、今回もらって初めて袖を通した。

 めっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっちゃふわふわなにこれ

 すごいジェラピケはすごいぞ。開演30分くらい前に店行って適当に選んでダッシュで会場に駆け込んでプレボに預けていた当時は気付くことのできなかったジェラピケの素晴らしさがそこにはあった。

着るだけでおんなのこ力がぐんぐん上がっている気がする。そして、こんなふわふわを身につけていた推しを思い浮かべるとかわいみで死にそうだ。初めて着たときわたしと同じように思っただろうか。かわいくて死ぬ。

 

 俳優へのプレゼントなんてある程度あげたいものを消化していくと候補がどんどん無くなって、ちっとも楽しくなくなってくる。選ぶ楽しさがないから消化試合みたいに適当に選んでプレボに入れて、着てる画像があがっても着てんなあって思うだけになっていた。

数年を経て今、あの頃ジェラピケを着ていた推しを思い浮かべてめちゃくちゃ幸せな気持ちになれているからわたしの消化試合も無駄じゃないような気がしてきた。体験してみないとわからないことってあるもんだね。

へたにいらないアクセサリーとかもらわんで注文つけといてよかったサンキュー彼氏。そしてあの頃のわたしよありがとう。

 

おしまい。

雨宮まみさんについて

別に著書を全て買ったりしてたわけでもサイン会やイベントに欠かさず行ったりしてたわけでもない。大ファンとはとても言えないし、ただ連載コラムやブログが好きでたまに本を読んだりしていただけだ。

それでも訃報が飛び込んできた時しばらく思考が停止した。訃報を伝えるwebニュースを見たのは会社のお昼休みだった。午後も仕事があるので、一旦この件は置いておくことにして夜いつも通り教習所へ行った後にもう一度詳しくニュースを読んだ。

そこには自宅で心肺停止の状態で見つかったとしか書かれていなくて、亡くなったということ以外ほとんど何もわからなかった。死因なんて知ったってしょうがなくてそんなのはどうでも良いんだけど、雨宮まみさんの生み出す文章がもう読めないんだって実感が数日経ってじわじわ湧いてきている。

 

わたしは何かを熱心に追いかけるおたくであることを拗らせてはいたけど、"女子をこじらせて"に書かれているように女性であることをこじらせていたわけじゃない。あまり人と関わることもなく鈍感に生きているし、女に生まれたことを窮屈に感じたこともない。わたしみたいなすぐに失われる若さだけが取り柄の無能は女に生まれて良かったとすら思っている。総合職なんかには就かず片手間に事務をやりながら家庭に入っちゃえばいいんだから。こんな甘ったれたことを言ったら何もわかってないって思われるかもしれないけど、本当にそう思っている。

だけど雨宮まみさんの凛とした姿はわたしの理想の女性像だった。好きなものをあんな風に魅力的に書くことの出来るところに憧れていたし、沢山の悩みを受け止めてくれる、正しさだけが全てじゃないと思うんですという懐の深さがとても素敵だと思っていた。

直接話したことはもちろんない。でもこの先どうしたらいいのかとかふとした時の孤独感とか今のままでいいのかなとか、そういう言葉にし難い友人や家族に説明しづらい心のささくれみたいなものが雨宮さんの文章を読むと不思議と消えていた。目の前が晴れて、明日も頑張ろうと不思議と思える文章だった。

人生においてものすごく困ったこととか本気で死にたかったこと、消えてしまいたいと思ったこと、一度もない。そんな呑気に生きているわたしでも心を軽くしてもらったことが何度もあった。意識はしていなかったけど心のどこかで雨宮さんを頼っていたような気がする。

 

物心がついてから、お葬式というものに行ったことがない。喜ばしいことだけどそれと同時に、大切に思う人が亡くなったときの気持ちの落とし所をわからないでいる。雨宮さんの訃報を知った日、午後の仕事や教習所で嬉しいこと楽しいこと、大したことじゃなくてもそれなりに何度かあって、悲しいことがあっても嬉しいものは嬉しいし、楽しいことは楽しいんだなと思った。

でも夜布団に寝転がりながら沢山の人のツイートやブログを読んでいたらなんだかつられてだんだん悲しくなってきてしまって大した読者でもなかったはずなのにわんわん泣いてしまった。

今週末は仙台に旅行へ行った。すごく楽しくて紅葉も綺麗でご飯も美味しくて、とても良い日を過ごせたなと思っているけど、このブログを書いている今、また悲しくなってきている。

好きな人がいなくなるってどういうことなのか。もっと身近な近親者が亡くなったら数日間泣き通しの日々が続くのか、そんなことばかり考えている。ものすごく楽しいことがあった後、ふと雨宮まみさんを思い出して悲しくなる。でもその後嬉しいことがあったらわたしは笑顔になって、そんなことがいつまで続くんだろう。一週間もすれば頭に思い浮かべもしなくなるんだろうか。 

雨宮まみさんの著書で読んでいないものを購入した。これが全て読み終わるまでわたしのなかの雨宮まみは生きているし、読み終わったらまたいないことを実感してつらくなるんだと思う。 

あまりにも突然すぎて、今はそれくらいしか考えられそうもない。

 

おしまい。

今この瞬間もいつかは黒歴史

になるのかな。

 

中学生の頃のサイトとかブログをこの間ようやく削除した。厨二とかリアとか色々拗らせた香ばしさ漂う黒歴史ブログ。

アドレスも変わってるしパスワードもわかんなくてめちゃくちゃ大変だった。中学生ともなるとかなり前のことになるけど、なんで昔の自分が書いた文章を読むとあんなに恥ずかしくて死にたくなるんだろう。

中学生どころかついこの間書いた一つ前のエントリですら今改めて読み返せって言われると恥ずかしくて無理だ。面白くないし。

自分が書いた文章なんだから間違いなくそこには"わかる"しか詰まってないのに、いざ読んでみると長くてつまんなくて恥ずかしい。

このエントリも一週間も経てば恥ずかしい過去になるし、いつか自分で面白く読める文章を書ける日はくるのだろうか。

 

話は変わって、街コンへ足を運んでからそろそろ1年が経つ。

彼氏が欲しいというよりは、年末に久しぶりに会うおたく友達との話のネタになればいいなあくらいに考えていた。でも3000円も払って興味ない男と出会うからにはそれなりの収穫が欲しいとも思っていた。おたくを辞めるための取っ掛かりが欲しかったのもある。

参加前の心構えとして、まず自分を省みた。CDを沢山買ったり自分の服の何倍もする物をプレゼントするようなおたくであることを公表するのは良くないだろう思ったので買い物や散歩が趣味の一般人になることにした。

隠したいってよりは、今までのまわりの反応を考えてわたしの趣味は殆どの人に理解されないって分かってたから。

 

決意を固めたのも束の間、あまりにも話すことがなさすぎて驚いた。平日も休日も俳優のことばっかり考えていたわたしにそれ以外の引き出しなんてなかった。

だって華のJK時代はずっとバイトとおたくだけの生活だったし社会人になっても継続中だったし。

わたしってつまんない人間だったのかってそこで初めて気がついた。おたくの友達と現実について話したことなんかほとんどなかったし。

1グループ目の自己紹介はやり過ごしたもののシステム上30分はそのグループでキャッチボールをしなくてはならず、初っ端30分でわたしは自分のオタ歴を語ることとなった。その後の数グループでも。

楽しくてやってたことを自虐として話すのは憚られるけど、オタク話ってネタとしては最高だった。

超ウケるわけじゃないけど自分のことを話さなきゃいけないターンになったとき、会話のキャッチボールに困らない程度にはなる。沈黙恐怖症すぎて少し話しすぎた気もする。

 ちょうど自分の中で盛り下がってた趣味を黒歴史として話すと盛り上がるって悲しいような嬉しいような、でも結局そこで彼氏出来たし結果オーライかもしれない。

俳優の話は自分でまだ笑い飛ばせないから、カスタマイズ追ってたときの特典会の話とかをした。CD買って推しの肩を揉んだとか。

 

あれから1年非オタやったから、今なら街コン行っても自虐ネタ以外の引き出しがある。

面白い話ではないけど、沈黙は生まれないと思う。休みの日ポケモンやってるとか、教習所通ってるとか、面白かった映画とか。そんな話きっと誰も興味ないけど、その場しのぎの会話が出来るカードを持っているってことが重要なのだ。

 

おたく自虐ネタを披露する場がないのは少し、ほんの少し寂しいけど、楽しかった大事な思い出だから非オタネタの質を上げていきたいなと思う。

 

 面白い人間にはどうやったらなれるんだろうとか、人からみてこの人と友達になりたいって思ってもらうにはどうしたらいいんだろうとか、そんなことばっかり考えちゃうけど、そんな努力もしたくないから当面は今のままでいいかな。

 

おしまい