みんなの心に棲む-りさ子のガチ恋❤︎俳優沼
このブログに辿り着いた人は若手俳優のグループからの人と、
2年前に書いたガチ恋に関するエントリから来た人がほとんどなので本当に"ガチ恋"というワードの強さをハチャメチャに感じる。
そんなわけで『りさ子のガチ恋❤︎俳優沼』を観てきた。
チケット取りを張り切りすぎて推しもいないのに最前でみた。
"ガチ恋"って単語、最近よく聞くけど語源がどこなのか知らないし、定義もあるのかどうかもわかんない。
正しく説明出来る人なんているのかな。そんな造語を舞台にするのはめちゃくちゃ難しくない??と思ってたんだけど。
26歳、彼氏なし。OLりさ子の趣味は舞台観劇。
大好きなイケメン俳優しょーた君を追いかける日々。
彼が出演中の2.5次元舞台『政権☆伝説』に大ハマリ中。最前席で全通。グッズもコンプ。そして高額プレゼント。
「がんばってる姿を観られるだけで幸せ」そう思いつつも。
彼のちょっとした「特別扱い」に心ときめいていた。ある日。ネットでしょーた君に彼女疑惑が持ち上がる。
彼との匂わせを繰り返す女が気になり暴走するりさ子。
エスカレートする迷惑行為。その行きつく果ては……。俳優とファン――「この関係で、私の気持ちは届くのかな?」
演劇業界の闇に切り込む、見て見ぬふりをしたかった愛憎劇。
主人公、りさ子。
シリーズものの人気舞台、政権☆伝説の主演のしょーたくんのファン。
政権☆伝説の規模がどの程度のものなのかはわかんないけど、シリーズものの主演がプレ手渡しの接触イベントできるってどのくらいの人気だろ。
あらすじを見るに、りさ子は毎回最前全通なのに顔認知どころか初めましてって言っちゃうしょーたくんまじでどうかしてる怖い。と思ったけど、りさ子は多分特徴のない顔なんだろうね。
接触イベントがない段階のおたくなんてめちゃくちゃかわいいかめちゃくちゃブスじゃないと覚えられないか多分。
気の毒だけど、りさ子もりさ子で認知されてるとか自分はちょっと特別なファンだって思いこんでた根拠がとにかく謎。
りさ子自分の着てる服と同じ柄の封筒でファンレター書いてるんだよ。ちょっと怖いよ。
しょーたくん女優の彼女による匂わせで炎上しますけど、しょーたくんすげーいい奴そうだった。
真面目で仕事にも真剣に取り組んでそうなのにオツムがめちゃくちゃ弱い。勉強の出来なそうないい奴。残念。サッカーがうまそうなかわいい顔だった。
台本真剣に読んでるのにカノがちょっかいかけてきても怒らないし(やさしい)、
ファンからもらった飴をカノが勝手に食べて、その写メをTwitterに載せてるとき横にいるのにそれが匂わせになるということに気づけていない。バカだから。
政権☆伝説はしょーたくんが主演で、脇に秋山くん(秋葉友佑)という子がいたんだけど
うわ〜〜手作りじゃんまじ無理…
触るのも無理ッスわ〜〜
とか言ってプレを楽屋のゴミ箱に突っ込んでるのに、一緒に袋に入ってる手紙はちゃんと抜いてるの推せた!!!!LUSHを共演者の女にちょーだい!って言われても横流ししないのも推せた!
わたし秋山くんのおたくになる!!!
秋山くん、しょーたの厨に腐アピが酷い、しょーたの人気に乗っかろうとしてるって散々言われてたけど貪欲な感じがとても推せるので頑張ってほしい。
わたしは2.5の俳優の厨ではないけどこの界隈にいればまあまあ耳にする単語がたくさん出てきた。
どちらかといえば年齢高めの厨がいいそうなやつ。
厨と役者の繋がりがどうとかは全然出てこなかった。りさ子は出待ちとか非公開をガッツリしてるおたくではなかったようだ。
りさ子周辺の応援スタンスだとかつるんでる厨の層がそのへんで大体わかるなあと思う。りさ子の個スレは多分一生立たないな。
見守る、親目線、笑って仕事が出来てればわたしも幸せ、推しのために仕事してる、推しがいるから頑張れる。
そういう系。りさ子26歳だし、がむしゃらにリフレとか風やって捨て身で応援出来るほど若くないんだな。若気の至りだよねってヤラカシを笑える年じゃない。
人間関係苦手そうだし、おとなしい地味なおたくだった。TDCにいけば大量にいる。
りさ子最前全通なのに出待ちガッツじゃないの逆にすごくない?いや出待ちはしてたけど。急に後ろから声かけてちいさーーーーい声で、
「おつかれさまでした…かっこよかったです……頑張ってください……」
とかゆうてんのウケた。そんなんで出待ちする意味あるのか。
りさ子は政権☆伝説の原作のゲームのファンだったらしくて、おそらくは原作ファンから舞台を観て俳優沼に落ちたタイプなのかなあと思う。
そう考えるとあの思い込みの激しさとか暴走は、アラサー超えてからプライベートでは触れ合えない男への感情を拗らせた結果なんだなあととても納得が出来る。
この舞台を観てガチ恋はそんなんじゃないとか、違うとか言うのはナンセンスなんだろうけど、
やっぱりりさ子の応援スタンスをガチ恋という言葉で括るには違うんじゃないかな〜。
わかってほしさみたいなものの権化というか、見つけてほしい、自分という存在を個人として見てほしい、ありがとうって言ってもらいたいし言ってもらえることをしたいって思ってただけなんだよね。
カノのるるちゃんは名前を呼んでもらえるのに、るるちゃんだけに見せる笑顔があるのに、
いつも通って最前に座ったり全通したりクロムハーツあげたり、喜んでくれたらなって思って365日ずっーーーとしょーたくんのことを考えてるのに、こんなに好きなのに、ファンってだけで一般人というだけで、「初めまして」って言われちゃう。
こんなに好きなのに。
その気持ちをうまく言語化出来る人なんていないよ。
多分アイドル追ってた時代のほんとにガチ恋のときより、元本命時代の見守る系( )を拗らせてたときのわたしの方がりさ子の叫びは響いたと思う。
エゴだなんてわかってるけど、わかってても自分を納得させてあげられる言葉が自分で思いつかないんだよ。
彼女作らないでよなんて言えないけどさ、思うことだけは許してほしい。
ガキさんの長台詞が本当にすごくて、りさ子の魂の叫びの引力がすごかった。あんなに泣きそうになりながら絶え絶えになりながら話してるのに聞き取りやすくて。
りさ子のことは全く擁護出来ないけど、りさ子の気持ちを1%も分からないなら若手俳優やるのは向いてないよね。
りさ子に感情をぶつけられたしょーたくん、おそらくは誠意を見せたかったんだろうけどTwitterで交際宣言をします。事務所を通さず。
しょーたくんは本当に頭が良くないんだなと思った。みんながそれで納得して付いてきてくれるって思うのかな?バカなんだなあ。
事務所に干されてファンもいなくなって、るるちゃんの立場も悪くなって破綻という未来しかわたしには見えなかった。
Twitterのつぶやきが出る場面はみんなペスト医のマスクを模したものを被っていた。薄気味悪かった。
はい。ここまで大体2700字。
内容の細かいところを書いて満足したのでその他諸々。
端的に言うとわたしはこの舞台つまんなかったなと思ったところが多かったので、そう思った理由も忘れないうちに書いておきます。
若手俳優おたのつぶやきとか関係性とか、あるある〜〜っていうのが山ほど出てくるけど、出てきすぎてロールプレイングのようになっていてシーンの一つ一つが長かった。
なんか別にそういうのってあるあるとしては面白いけどお金払わなくても現場いけば見られるし体験できるし、そんな長く時間取る必要あったのかなと思った。くどい。
追っかけをする人の気持ちが全く分からねえみたいな人は勉強になるのかもね。
ラストのガキさんの長台詞がめちゃくちゃよかっただけに、もっとりさ子の内面にガッツリ焦点を当てた場面が観たかったなあ。
厨のダークな部分も、演者のダークな部分も両方描かれていて偏りがなかったのでどちらに肩入れするということがなかったのはとてもよかった。
転じて、りさ子の応援スタンスを良いとも悪いともはっきりとは決めないので毒にも薬にもならんみたいな。
なんだろうな、単純に戯曲と演出がつまんなかった。
演劇業界の闇に切り込む、見て見ぬふりをしたかった愛憎劇。
とあらすじにあったけど、切り込んだその先がなかった。ただの再現ドラマ。
比較するのはやめようと思ってたけど、歌手の追っかけおばさん3人組の話だった根本宗子さんの『皆、シンデレラがやりたい』おたくでいられる強さ-M&Oplays『皆、シンデレラがやりたい。』 - さくらまつりは物語がちゃんとあったので戯曲としてそっちの方が格段に面白かった。
そんな感じ。
いっこだけ言いたい。るるちゃん役の人、ナイスおっぱい!
おしまい。