アラジンにまつわる記憶

中学校に上がった時、だいたい3箇所くらいの小学校が集められて一学年が形成されたけど、学区の関係でわたしの通っていた小学校からは20人くらいしかその中学校には行かなかった。

わたしには幼稚園のころから付き合いのある幼馴染が3人いて、わたしを含めて皆同じ中学校に進学した。小学校の頃のわたしはというと、人生のモテのピークを迎えた時期であり、無敵だった。何しろモテたので自己肯定感の塊であり、気が強かった。幼馴染たちは全員次女だったためか全員めちゃくちゃ気が強かったのでその中で強くたくましく育った。

しかし小学校高学年の頃から雲行きが怪しくなってきた。わたしは好き嫌いがめちゃくちゃ多かったので、給食居残りで小学校6年間ほとんど昼休みがなかったりしたのだが、それに加えてまず運動神経の面で差が出てきた。丸太が2.5mくらいの高さに組み上がった遊具で鬼ごっこをする、とかがまじで怖すぎて意味がわからなかった。もう少し低学年のころは無敵の女だったので私が嫌だと言ったら違う遊びになったりしたのだが成長するにつれてそういうわけにもいかなくなり、みんながしている遊びに混ざれない機会が多くなった。そんなわけで本を読むなどの身体を動かさずできるコンテンツに向かうようになった。内向的なオタク化の始まりである。

そんな高学年を終えて中学校に入学すると幼馴染たちは全員運動部に入ってしまい、わたしは運動部なんてまじでムリと思ったので文化系の部活を探した。なんとびっくり3択しかなく、音楽系か演劇部だったので一番活動熱心じゃなさそうな演劇部に一人で入った。

母校の演劇部は毎年部員が5人くらい入部する程度の弱小部だったのだが、なぜかわたしの代だけが20人程入部し、たちまちに黄金期を迎えた。多分わたしと同じように考えた人が多かったんだと思う。

そして、その20人の中には同じ小学校出身の女の子が2人いた。内ひとりは同じクラスだった。その2人は小学校時代から大の親友同士で、ディズニー大好き仲間でもあった。わたしは同じ小学校出身で同じクラスに同じ部活でこれは都合がいいぞと思ったので、取り入るようにして同じグループとなった。ほかの小学校の人ばかりで知らない人だらけだったのでそんな中で知った顔がいるのはとても心が落ち着いた。ちなみに同じグループには演劇部関係で仲良くなったあやぽんという女子もいた。あやぽんは非常にコミュ力のある女の子で、長くダンスを習っていたらしい強めの人だった。よそもの2人(わたしとあやぽん)を含む4人組だったので、親友コンビに取り入ったわたしも学校生活においては肩身の狭い思いはしなかった。

 

問題は部活終わりの帰り道である。

あやぽんは小学校が別なことからも分かるように自宅が全くの逆方向だったので、必然的に親友コンビとわたしの3人で帰ることになった。最初の頃はクラスどう?とか、あの先輩はああだよね、とかそんな雑談だったように思うけども、いつしか親友コンビがディズニーの歌をハモッてくるようになった。本当に心からディズニーを愛している女の子たちだったので、わたしの全く知らないような歌をいつも歌っていた。歌いながら帰るというの、本当に中学生女子という感じがするんだけれども、週に1回か2回くらいはそのタイムが訪れていたのでそのターンのときはいつもわたしは無言で2人に並んで歩いていた。

その中で一番歌われる回数が多かったのが、アラジンの曲である、"A Whole New World"だった。日本語訳バージョン。正直言ってわたしはディズニーに全く興味がなく、映画も大人になってからネイルサロンのテレビでついてたら観るくらいで、しっかり1本観た映画はおそらく一つもない。ディズニーとはほど遠い人間なのだ。親友コンビが気持ちよくディズニーの曲を歌っているのを横で聞いている時の、あの悲しいでもむかつくでもない謎の感情を、ここ最近のアラジンのCMやニュースなどを見ていつも思い出している。

親友コンビは声の高い子と低い子のペアだったし歌もすごく上手だったので聞くことが自体は全く不快ではなかったんだけども、わたしという存在が透明になっているような感じでいつもなんとも言えない気持ちになっていた。あれだけ何度も聞かされたらA Whole New Worldは流石に覚えたので、今日はじめて観た金ローのアラジンに合わせて大声で歌いました。歌詞の字幕がついてなかったのでところどころしか歌えなかったけど、このしょうもない中学校時代の話を知ってる夫がちょっとウケてくれて良かった。

 

中学を卒業してから一切連絡をとっていなかったけど、成人式が終わってから一度だけ親友コンビと3人で会ったことがある。そのときにインスタの相互フォローをしたんだけど、遡って観たら中学卒業の15歳から20歳までの間に2人は死ぬほど会っててうけた。本当に本当に仲良しだったコンビに無理に混ざったものの、結局なんか違うなとなってしまい卒業を機に連絡を絶ったわたしとの違いを見せつけられた。それ以来会っていない。親友コンビの片方はわたしが結婚した数ヶ月後に結婚したとインスタに書いてあった。わたしはインスタに自分の結婚のことは何も書いていないので今後彼女たちがわたしについて知ることは無いんだろうな。わたしのことを思い出すこともそもそも無いんだろう。

 

先週、有給を取って20年ぶりくらいに家族全員揃ってディズニーランドに行った。ちょうど七夕初日だったらしい。パレードを初めて最初から最後まで観ていたらプリンセスがたくさん出てきてパレードの最後尾にアラジンとジャスミンが出てきてああこれかあと思った。パレードはテーマはよくわからなかったけど最高だった。乗り物に乗って写真を撮ってくれるやつの写真を、どんなにうつりが悪くとも買おうと思っていたらスプラッシュマウンテンが休止の為買うことが出来なかった。今生の思い出としたかったのでつらい。これはもう全員でシーに行くしかない。

ディズニーランドは楽しいし今日の金ローのアラジンは結局最後までは観てないけど面白かったです。南無。

ホール・ニュー・ワールド (新しい世界)

ホール・ニュー・ワールド (新しい世界)

おしまい。

 

 

 

推しを失う疑似体験 - イントラロスがつらすぎる

8年ほど芸能人のおたくをやってきたけれど、幸いなことに歴代推しが芸能界を去ったことがない。スタダの元推しはグループは解散したけど事務所には所属したままだし、大平峻也くんは現在進行形で大人気俳優様だし、今の推しも芝居の仕事が半年以上ないけど一応告知待ちの舞台がある、らしい。俳優やアイドルが芸能界を去るたび、はてなTwitter上で"応援できるときに全力で応援しておけ"みたいな言葉が蔓延しているのでうんざりしながら、とはゆうても自分の好きなペースで応援すりゃいいじゃん???と思っていた。が、芸能人ではない推しがわたしの前から消えたので人生で初めて推しを失う苦しみを味わっている。

 

そもそもは結婚してからスポーツクラブに通いだしたことが事の発端である。わたしは泳げないのでスタジオプログラムに行くことに決めて、ヨガ、ピラティス、キックボクシング、太極拳、ジャズダンスなど一通り出てみた結果一番楽しかったのがZUMBAだったので他のプログラムにもちょくちょく出ながら、ZUMBAだけはほとんど毎週1回通っていた。

ZUMBAというのがなにかというと、ラテン調の音楽を流しながらインストラクターの動き(ダンス)を真似するプログラムである。一般的によく耳にするエアロビクスというのは、動きの型が決まっているので結構難しいらしく(出た事ないので知らないけど)、その点ZUMBAは指示も出されないしただ見て真似をすればいいし、きっちり真似をするというよりは音楽にノッて楽しく身体を動かそう、という感じなので気負わず出来る。大型スポーツクラブなどのZUMBAは大量のスピーカーから爆音で音楽が流れるしインストラクターさんはめちゃくちゃ煽ってくるのでフェスみたいになっている。

わたしが通っているところは郊外の弱小スポーツクラブなので子供と老人がほとんどを占めていて、わたしぐらいの年代の人はせいぜい大学生が泳いでいる程度、スタジオには殆どいないような環境だった。そんな風なのでZUMBAのインストラクター(=イントラ)もヘイヘイ煽ってくる感じではなくフロアの前で淡々と踊っているようなプログラムとなっていて、運動音痴のわたしにとっては最高の環境だった。身体を動かすことはわりと好きなんだけれども人に指示を出されると途端に出来なくて辛い気持ちになってしまうので。

そして、このZUMBAのイントラというのが、約半年間ほどわたしの推しとなっていた人である。20代後半くらいの男性で顔はサッカーの武藤に似ていた。若い男性のイントラは業界的にはわりと珍しいらしい。それでもって、タイトルの通り先日退職してしまったわけである。

 

まず、このイントラが退職したことの悲しみについてはわたしがいかにZUMBAを愛していたかを書かないと始まらないので、いつか同じようにイントラロスに陥った人と分かち合えることを願って(という口実で)書きたい。

そのイントラのZUMBAはまじで楽しくて、そもそもこの人のZUMBAしか出たことなかったけどまず第一になんだか雰囲気が良かった。2曲踊ったらインターバルというのを繰り返し、1時間踊るというのが体力的に非常にちょうどよく、始めはついていくのに必死だった曲も慣れてくるとイントラを見ずに踊れるようになって楽しかった。

基本的にダンスの心得がなくても見よう見まねで出来る程度の難易度なので頑張って継続しているうちに出来るようになる、という体験がたいへん楽しかった。休日の回に出ていたのでZUMBAを踊った週の水曜日くらいまでは仕事をしながらZUMBAのステップや曲について考えていたし、自力で使用曲を探し出してiPhoneにプレイリストを作って普段から聴いたりもしていた。夫との会話の6割くらいはパフェかZUMBAの内容だった。ここのステップがいいよね、あそこどうやってやるのか未だにわからん、みたいな話を無限にしていた半年間だった。

スポーツクラブの全時間を通せば週に何コマかやっているけれど、わたしは平日は仕事があるので週に1コマしか出られる回がなかった。しかもそれが土日なので予定があって出られないこともたまにあったりして、出来る限りZUMBAのある時間に予定を入れないよう心掛けながら生活する日々だった。

本当にこのZUMBAを愛していたんだけれども、昨年末のわたしが行ける年内最後の回に今年のZUMBA納めだな〜とルンルンで足を運んだ際、イントラが年内いっぱいで退職することを知った。つまり自分が行ける最終回に、突然今日が最終回であることを知らされたわけである。まるで打ち切り漫画のよう、、、、。

本当は何週間か前にお知らせがあったらしいんだけれども、わたしたち夫婦はたまたまその回に行っておらず、知り合いもいないので誰も教えてくれずに最終回、という流れだった。わたしはイントラとあんまり話したことがなかったけど夫とはお風呂で軽く会話する程度の仲だったんだから教えてくれたってよかったじゃないか…と未だに思う。最終回が始まる5分前くらいにいつもいるおばあさんに今日最後だから来てよかったわねえと声を掛けられて知ったので1時間失意のZUMBAを踊ることとなった。涙を堪えながらラテン調の曲で踊る女。

 

ここのZUMBAは毎月1曲ずつ曲が変わっていくシステムで、最終回の2ヶ月前くらいにエンディングの曲が変わっていた。その曲がsee you againというタイトルだということをわたしは自力の曲リサーチで知っていたので1時間一生懸命堪えた涙はエンディングで流れることとなった。約3年間の勤務だったらしく、エンディングの後アンコールが起きたので最後にもう1曲踊って終わりとなった。わたしは泣いていた。

半年間お世話になったイントラにいかにZUMBAが楽しかったか、大好きになれたかを熱弁したかったけど、涙を堪えることに精一杯でとてもそれどころではなく、お疲れ様でしたと一言いうのがやっとだった。

これは夫が最終回の後に風呂場でイントラから直接聞いた話なんだけれども、このイントラは現在専門学校に通っていて今年から実習が始まるので、そもそもインストラクターを始めた当初から3年で辞める予定だったらしい。わたしたち夫婦は、その辞める直前の半年間にギリギリ食いこめたのだ。スポーツクラブのインストラクターというのは社員の場合とフリーランスで契約している場合の2パターンがあって、社員はどうかわからないけどフリーランスは給料がまじで安いらしく、イントラを職業として食べていくのはなかなか難しいのだそうだ。若い男性インストラクターが珍しいのはそういう理由があって、わたしの推しメンだったイントラも在学中のバイトとしてZUMBAを教えてくれていただけだった。

 

わたしの夫の実家は両親ともにスポーツクラブフリークである。実家どころか夫の母方の実家までもが全員スポーツクラブに通っているような環境なので、気になったことを聞くと大体返事が返ってくる。最終日のZUMBAから自宅に戻った時、わたしが1時間くらいずっと泣きながら恨み節を言っていたのをひたすら慰めていた夫はその晩、実母(わたしの義母)とたまたま電話をしたらしく、インストラクター事情について色々と話を聞いてくれた。タイトルの"イントラロス"という単語を教えてくれたのも義母である。

大手スポーツクラブでも大体フリーのインストラクターというのは1コマ5000円程度しか貰えず、どんなに人を集めてもあんまり関係ないらしい。スポーツクラブにいる人っていうのはまじで1日中スポーツクラブにいたりするので人生の生きがいとして通っている人が多く、人気のインストラクターを追いかけて転職先のスポーツクラブに鞍替えする、というのもあるあるなようだ。大手には回数券があったりして、いちいち契約しなくても通える場合があるのだ。わたしの推しイントラは移籍ではなく職業ごと辞めてしまったので追いかけることも出来ないのか…と思うとまた涙が出た。

 

推しイントラが退職してから、通っているスポーツクラブのZUMBAの時間が変更になってしまった。わたしは夜限定会員なので全時間対応のコースに変更しないと新しいZUMBAに行かれなくなってしまい、来月からコースを変更する予定である。

退職後から現在までの空白の期間は夫実家の通うスポーツクラブにカリスマがいると聞きつけて電車で1時間かけて体験に行ったり、最寄りの大型スポーツクラブのZUMBAを体験したりしている。そもそもZUMBA自体が好きなのか、あのイントラのZUMBAだけが好きだったのかが分からないと始まらないし、あとは単純に身体を動かすことに飢えていたので。

そうして義実家のスポーツクラブでわたしは人生で初めてカリスマに出会ってしまった。カリスマは天使にラブソングをみたいなパーマを当てた年齢不詳の女性だった。めちゃくちゃ人気のイントラらしく、始まる30分前くらいからスタジオの前に行列が出来ていた。常連組はポジション取りも大事なのである。わたしの通うZUMBAは普通の主婦っぽい人とおばあさんしかおらず、男性というとわたしの夫だけだったのに、そのスポーツクラブは男女比4:6くらいだった。常連風の人たちは皆わたしの親世代くらいのTRFにいそうな風貌の人たちで、たいへん恐ろしかった。恐ろしかったけれども何しろカリスマなのでZUMBA自体は異常に楽しく、スタジオのスピーカーはいつものスタジオの5倍くらいついていたので爆音で踊り狂う様はさながらクラブのようだった(クラブに行ったことはない)。

わたしの知っているZUMBAとは何もかもが違った上、ダンスもハードだし休憩全然ないし死ぬほど疲れたけど楽しかったのでよかった。近所だったら通いたいくらいだったけれど遠いのでとても残念。あんなとんでもないカリスマでもお給料安いのかなあなどと考えてしまって悲しくなったのでわたしは今業界全体の賃金上げを願っている。

わたしの好きだったイントラのZUMBAはただ真似して踊るだけだったので、"普通のZUMBA"というのを体験してみて面食らった場面も多かった。でも結局感想としては楽しかったので来月から通い始める近所の新しいZUMBAのイントラがいい感じの人だといいな。今は水着を手に入れたので泳げないなりに週2回ほどビート板でバタ足をひたすらしている。あまり楽しいと思えないので早くZUMBAの女となりたい。

 

この一件で思ったのは、好きなものの柱をいくつか持っていてよかったなということだ。本当にZUMBAのことが大好きだったので、これでわたしがもしZUMBA単推しだったら立ち直れなかったと思う。今パフェとか旅行とか俳優の推しとかポケモンGOとか、好きなものがいくつもあるので、立ち直れてよかった。

家事を適当にこなして適度な運動をしていると自己肯定感がまじで半端ないので、精神衛生上超最高なのだ。わたしは新しいZUMBAが楽しいことを猛烈に願っている。

 

 

おしまい

さくらにマシュマロを投げる | マシュマロ

結婚して1年が経った

わたしは生まれてから一度も引っ越したことがなく、結婚するまで同じ土地の同じ家に住み続けてきた。家事は一切やったことがなかったしやろうと思ったこともない。料理などは家庭科の調理実習ですら調理には参加せず後片付け要員として事なきを得ていたし、洗濯機のボタンを押したこともなかったし、パジャマはお母さんに用意してもらっていたし社会人になっても毎日お弁当を作ってもらっていたし、結婚して実家を出るまで貯金や家に入れるお金を除いた残りのお給料を毎月お母さんに下ろしてもらっていた。

わたしの母は確実に過保護であった。過保護であるわりにはわたしの趣味などに特に干渉はしてこなかったし、2人も娘がいるのにどちらも一切家事を手伝わない家庭で、自身もパートで働きながら毎日全ての家事をこなしていた。うちの母はすごい。

 

一方で夫となった人はわたしより5歳年上で、社会人1年目から地方に配属されたので、結婚した時点で一人暮らし歴が5年ほどだった。わたしとは違って実家にいた当時は洗濯物を畳む要員として活躍していたらしい。夫自身もまた夫の父親も転勤族なので引越しに慣れており、わたしたちが家を決めた時の様々な処理は全て夫がやってくれた。一人暮らし歴が5年というと、当然生活をする力がわたしよりもレベチで高かった。

付き合っていたときに夫の家で卵焼きチャレンジをしたことがあった。白だしをわざわざ買ってクックパッドを見てつくったにも関わらず白だしが濃縮ということを知らなかったので大さじ3杯(濃縮)の白だしが入った地獄の卵焼きが出来上がった。わたしはその程度の料理力だった。

そんなわけで、プロポーズを受けた時の懸念はわたしに家事が出来るのかという問題だった。結婚して仲良くやれるのかみたいな心配は特になかった。プロポーズを受けてから3ヶ月で入籍したのでマリッジブルーになる暇はあまりなかった。結婚式は面倒であげなかったし、ドレスを着た写真も7月頃撮ったので。家事どころか生活スキル0の状態で結婚したわけだけど、この1年間滞りなくやってこれたと思う。家事における失敗も、血の繋がりのない男性と初めて同居したことによる苦しみも特になかった。

今の我が家の状況は料理(お弁当と晩御飯)がわたし担当、弁当含む食器類全般の洗い物が夫、洗濯物は2人でやる。という感じなので家事はほぼ折半である。朝ごはんは毎日お餅なので夫が焼き担当となっている。掃除はお互い綺麗好きではなかったので気が向いたら適当に。生活費は夫の口座から全て払っていて、わたしの収入は共有貯金として貯めっぱなしになっている。お互いお小遣い制である。食費や生活雑貨などは全て夫口座から引き落とされるクレジットカードで支払っているのでわたしは自分のお小遣い以外現金を使うことはほとんどない。

また、お互い金遣いの荒いタイプではないということもあって家計簿などはつけていない。毎月生活にどの程度お金がかかっているのかわたしは把握していないし、夫の口座にどのくらいあるのかもよくわかっていない。わたしの口座で貯金は出来ているし、クレジットカードのアプリとポイントカードのアプリを使っているので食費と生活雑貨の金額の予測はなんとなく出来る、という具合である。一番大事であろうお金の管理はこんな感じでかなり雑になっているが、妻の収入は貯蓄で夫の収入が生活費というのは昔ながらの(古い)感じだと思う。

 

夫は家事を協力してくれるというよりはわたしが気付かぬうちに取り組んでいるタイプである。最高の男なので。風呂の排水やトイレの掃除も気がついたらされている。一人で5年間生きてきた男なので生きていく能力はわたしより高い。(2回目)洗濯機を購入した当初も使い方は夫から教わった。洗濯機はボタンを押せば自動で洗ってくれるので便利、、、。

というわけでわたしの課題としては、料理を毎日出来るのか、という1点に絞られた。ちなみに初めて一緒に住んだ日の晩御飯は鍋である。(調理技術がいらないので) 課題は1つしかなかったが、わたしはハナから頑張る気はなかった。食に関心がそもそもないし、現代の世にはクックドゥなどがあるので。

家具家電を揃える際にオーブンレンジをなぜかヘルシオにした。そもそも料理をしっかりやる気もないのに何故そんないいオーブンを買ったのかよく覚えていないけど、ヘルシオにはレシピ本がついているので初めの1ヶ月ほどは殆どヘルシオに頼りきりの生活だった。ひねって回す式のガスコンロがちょっと怖かったので助かった。さすがに今は平気だけど。

ほかのオーブンを使ったことがないのでわからないけどヘルシオは便利。公式サイトにもレシピ載ってるし。そしてヘルシオで作ったものは概ね美味しかった。また、わたしの夫は食レポがすごい人で毎日毎日赤子が立ったくらいのテンションで褒めてくれたのでわたしも気分が良くなってなんだか料理が好きになってしまったのである。夫の食レポは「これはこの食材がこういう風に効いていて最高」「今日のおかずは今までのおかずランキングの中でも5本の指に入る」みたいな感じで褒めるコマンドしかないので最高。やがてキッコーマンのレシピがみられるアプリを手に入れたわたしは、料理好きの女として生きていくのである。今や憂鬱だった美容院もレシピ本が読めるのでまあ行ってもいいかなと思っているほどである。料理は上手いわけではないけど精神統一になるので好き。わたしの推しメンは料理が上手いので料理画像がSNSに上がるたびに負けた…と思う。

 

夫は食事に留まらず様々な場面で褒め屋をやってくれるのでわたしはすっかり乗せられている。褒め屋な上で家事もしっかりやる男なので最高の環境に身を置いている。全て一人で家事をやらせてしまっていた実家の母には謝りたい。あれほど何も手伝ってこなかったわたしも、結婚してから実家に帰るとなると何もしない状態では居られなくなった。あまりにも申し訳がなくて。

 

結婚の条件 - カリントボンボン

どうしてこんなことを書いているかというと、上に貼ったブログを読んで確かに家庭のことで苦労している人は多いし、夫を褒めたり結婚いいよって言ってるブログがあまりないなと思ったので。まず街コンとか婚活系のレポブログにも成功体験がほとんどないような気がする。嫌味っぽいからなのかな。わたしのまわりはわたしに友達が少ないこともあるけど結婚している人というのは殆どいなくて、代わりに皆彼氏がいるけど概ね悪口しか聞いたことがない。別れたらいいのにと会うたびに思う。

わたしはまず実家がそれほど裕福でなかったので奨学金を借りて大学に行くか高卒で働くかの2択だったんだけれども、おたくだし奨学金(借金)を抱えるのはまじでゴメンだと考えていて、そもそも大学を出たからにはちゃんと働かないといけないだろうとも思っていた。借金を返しながら総合職でバリバリ働くなんてとてもじゃないけど嫌だったので高卒で事務をぼちぼちやりながら22歳でおたくを辞めて婚活を始めればまあ若いし27くらいまでには結婚できるだろう、という人生設計だった。

昔から自分には絶対的な長所がないと思っていて、かといって資格などを身につける努力もせず、ただ早熟だったので同年代と比べて褒められることが多かった。なので自分でも相対的に褒められることを目指してきた。高校時代のバイトでは若いのに沢山働いて偉いねって褒められたし就職してからは高卒で自立して働いて偉いねって言われたし、今も若いのに家事しながら働いて偉いねって言われて気分が良い。婚活に関しても同様で、若ければ若いほど出来ることは褒められて出来なくても若いからしょうがないって言ってもらえるだろうと思った。若いからまあ実家暮らしだろう、家事もあんまりできないだろう、社会人マナーや家の契約方法なども知らなくてもまあ、、、、みたいなのを狙っていた。高卒だと収入が低いので結婚はマストだと思ったし、わたしも働きながら、夫の収入と合わせればなんとかやっていけるくらいの人を見つけようと思っていた。古い考えでほんとうにしょうもないなあという自覚はあるけど、これはわたしが女だから成立するなと思う。

そんな風な思考だったので、彼氏に不満があるのにそのまま付き合い続ける友人というのが本当に理解が出来なかった。結婚を考えていない男と付き合うなんて時間の無駄ではないか?おたくをしたほうが5万倍人生楽しいのでは?と思った。結婚してからは夫のことをさらに好きになるよりは、もっとこうしてほしいとかここが嫌だなとか思う機会が増える可能性が高いのに今の時点で悪口を言っていては心配だなとも考えていた。若いうちのほうが相手を探す選択肢も増えるだろうにその大事な時間をそんな駄目な男に費やしていいのか??と思いながら毎回愚痴を聞いている。

わたしのようなおたくで且つ家事を一切やらないような女でも素晴らしい相手が見つけられたのだからと思うけどこれは生存バイアスなんだろうな。おたく、人に好意を持たれるのが気持ち悪いみたいな人多いけどめちゃくちゃわかる。付き合ってる時はどうせ別れたら即他人だしと思っていたのであまり寄りかかりたくなくて、家まで送られるのも借りを作っている気がしてすごく嫌だったし、そもそも相手の家とわたしの実家が30分くらい離れているので待ち合わせるのも面倒だったのでつらかった。ただ一緒に話している時が超楽しかったのでなんとか2年付き合えたような感じだった。結婚した途端もう身内だし、と180度思考が変わったので今は寄りかかりまくり頼りまくりになった。本当に待ち合わせないで同じ家にいるのって最高。いつでもしゃべれるし家事もやってくれるとか最高じゃん。

最近実姉が4年ほど付き合った男と別れて、街コンに行き始めてから1ヶ月経たないうちに次の彼氏を見つけた。どんな人かすごく気になっているし早く会ってみたい。2年くらい経たないと会う流れにもならないだろうけど姉妹揃って街コンで結婚相手見つけたら面白いから結婚してほしい。わたしの夫は全国夫ランキングがあったら確実に上位を狙える最高の夫なのでそういう男も街コンにいるという実績を元に姉にアレコレ言いたい。姉は友達がいないのでちゃんと聞いてくれるし。

街コンまじで運ゲーだし、わたしはたまたま結婚してみたら夫が家事を結構やる人だったというのが判明したけど1回や2回会っただけでそれを判断するのは無理な話なので街コンで付き合う男を探して且つ結婚まで行くのって本当にローラー作戦でいくしかないなと思う。なんでこんな大変な思いをしないといけないんだろう。

でも街コンというコンテンツは本当に面白い。インターネット上にあるブログって女性目線のばっかりだから男性目線の街コンの話が聞きたすぎる。早く姉の彼氏はうちに遊びに来てほしい。

 

友達はいないわけではないけど友達に自分の話をすることは殆どないので(好き勝手対面で言われるのが嫌だから)ここに書きました。惚気を聞いてくれてありがとうございました。

先月結婚記念日があったんですがお花をくれて嬉しかったです。今まで花はあげる側(スタンド花)でもらったことがなかったので。

 

f:id:skr21:20190209181249j:image

 

おしまい

 

 

おたくで養った行列に並ぶ根気vs主婦

わたしは行列に長時間並んだり、長時間待つことがそれほど苦にならないタイプの人間である。高校生のとき18:00からのライブを最前で見るために始発で並んだりしていたので、人気レストラン程度の行列なんて屁でもない。マチソワ間を待つこともよくあったし、待ち時間が多いのはおたくあるあるかもしれない。

 

近頃、唯一推しと呼べる存在である俳優の仕事がなく、暇なので最近はもっぱら好きなパフェ屋とZUMBAのことだけを考えて生きている。好きなパフェ屋というのは前に長々と馴れ初めを書いたほど狂信的に愛している店である。

人気すぎるあまりにお店の方が忙殺されて体調を崩してしまい、今年の10月に営業を休止してしまった。営業休止とは言っても月に何度かは臨時で店を開けているのでなんやかんやといつもと同じか、またはそれ以上にお店に足を運ぶことが出来ている。

予約がとにかく取れない店であるので、そこがクレームとなってお店にのしかかったりしていたみたいだ。そういう経緯があるので、通常営業が休止になってから、予約を取るための救済措置(?)として店頭販売というものが始まった。この店はキッチンカーでのピザ屋という一面もあるので、カフェメニュー以外にもテイクアウトで販売できるドッグやスープがあるのだ。

そして、大事なのが、このテイクアウト販売に並ぶと臨時営業時の予約がその場で取れるというシステムが新たに追加されたことである。大人気パフェ店の、店頭予約システム。運ゲーではなく、並ぶ忍耐力のある者が勝つシステム。ここでタイトルです。

どうしてもパフェを食べたいわけで。負けるわけにはいかない戦いなので、たしか朝10:00が販売時間だったと思うけど、朝6:00に並びに行った。これはいけるやろと思ったし、実際予約は余裕で取れたけど、6:00に店の前に着いた時点で前には10人くらい並んでいた。漏れ聞こえた話によると先頭の人はどうやら5:30ごろに来たらしい。

完全に舐めてた。閑静な住宅街に突如出現した長蛇の列はそのほとんどが主婦で構成されていた。販売開始時間のかなり前に列は締め切られた。初回の舐めプを反省して2回目の店頭販売で5:30に並びに行ったら、前回より30分早く行ったのに前に30人くらい並んでた。単純に言うと前回の3倍。漏れ聞こえた話によると先頭の人は4:00ごろに来たらしい。

 

いやまじ主婦どんだけ…

 

今の時期の早朝4:00なんてとても正気とは思えない。わたしには無理かもしれない。だってその場ですぐパフェを食べられるわけじゃないのに。あくまでも、予約をする権利が手に入るだけなのに早朝4:00…。

長時間+待機は平気でも、そこに寒さが加わっただけで一気にハードモードになる。これはもうパフェへの純粋なる情熱が試される戦いとなっている。負けを認めざるを得ない。

主婦の本気はすごい。わたしのお母さんもポケモンgoで近所にレアポケモン出たとき23:00くらいなのに自転車で捕まえに行ったりしてたし、主婦は本気を出すとやばいんだな。勉強になった。わたしも一応主婦だからもっと強くなろう、、

 

1年前の今日、初めてこの店に出会った。まさか1年後に、まだ暗い寒空の下で凍えながら予約を取ることになるとは夢にも思わなかった。比較的近所に住んでいることをこんなにありがたく思う日がくるとは思わなかった。こんなに大好きになるとは、こんなにパフェやカレーを熱望する日がくるとは思わなかった。

いい1年だったな。早くあったかくなってほしいな。

年明けからの通常営業がいい感じにお店の人の負担になりすぎないようになるといいな。

 

おしまい

一番好きなドラマは?/TAOTAKとかいう企画の話

と聞かれたら、『鈴木先生』と即答する準備が万端のまま早8年。メインキャストだった土屋太鳳ちゃんと北村匠海ちゃんが2人で歌を歌うらしい。

最高じゃん。

8年も前の平均視聴率2.16%のドラマだけど、出演者の中には太鳳ちゃんや匠海くんを筆頭に松岡茉優ちゃんとか矢作穂香(未来穂香)ちゃんとか、今活躍してる子たちがいっぱいいるんです。視聴率こそ低かったけど、隠れたファンは少なくないはずで、わたしがその中の1人なことはもちろん現在のわたしの夫もその1人。街コンで出会った赤の他人となんで打ち解けられたかって、まずこの『鈴木先生』という超最高のドラマの存在があったわけで。5年前(当時)の視聴率クソのドラマの話で盛り上がれたらもう信頼しちゃうでしょ。しちゃったよ私は。そして結婚した。

で、この8年の間に主演の長谷川博己さんはスターになり、生徒役だった子たちは当時から活躍していた子ももちろん何人かいたけど、途中で芸能界を離れてしまったり戻ってきたり*1、映画監督になってたり、各々本当に色々なことがあったであろう中。今になってTAOTAKとかいう最高の企画が持ち上がったことが『鈴木先生』ファンとして最高の気分です。太鳳ちゃんも匠海ちゃんも当時から活躍してたけどこの数年で知名度が全国区になって本当に良かった。

 

鈴木先生の出演者の中でわたしはどちらかというと太鳳ちゃんではなくて未来穂香ちゃんのファンでした。spoonのほのたお表紙とか最高だったよね。

spoon. (スプーン) 2011年 08月号 [雑誌]

spoon. (スプーン) 2011年 08月号 [雑誌]

 

このほののん超かわいいよね。対応もめちゃくちゃいいんですよ。

それでも太鳳ちゃんの聖女ぶりは知っていて、なんか神様とか仏様みたいな、天上人のようなイメージを抱いていて*2、なので最近の太鳳ちゃんの演じている役とかネットでの叩かれぶりを見てなんだかなあと思ったりしていたわけで。ファンではないのでただ思ってただけなんだけども。

我らが土屋太鳳にはもっと他の系統でやっていってほしいと、紅白歌合戦郷ひろみのダンサーをしたときのような太鳳ちゃんをもっと見てみたいよ、と思ったりするわけです。舞台に出てほしいなとか。

このTAOTAKのニュースを見て、久しぶりに当時のブログを読んでみたら徳が高すぎてクラクラした。

前にふみかすが「太鳳ちゃんはいつ死んでも絶対に天国に行ける」って言ってたときがあって、わかる👍🏻と思ってたけど、現在千眼美子さんとなったふみかすが言ってたんだから尚更信憑性ある感じがするよね。

更新が止まってから3年くらいが経つけれど、tenslivesというブログを高校生のときによく読んでいて、このブログさんが本当にすごかった。主にティーン誌のモデルから若手女優を隈なくフォローしたブログで、このブログの人が土屋太鳳ちゃんのことをめちゃくちゃ褒めてた記事がすごく好きだった。今このブログの主さんは元気にしているんでしょうか。すごく好きだったから過去記事が消えてしまって残念です。

 

一方で匠海ちゃんは、わたしが非アイドルもといEBiDAN、もとい栗原吾郎のおたくになってしまったきっかけを作った人。インディーズ2ndシングルくらいまでは地味にDISH//(以下皿)のリリイベにも行ってました。

f:id:skr21:20181027123308j:image

これは皿として初めてグルショが撮れたときの写真である。高2のわたしと中3の匠海ちゃん。原画をなくして顔が隠れたやつしか残っていない。

鈴木先生に出演していた匠海ちゃんがきっかけでEBiDANおたくになったとはいえ、推しは別グループにいたので、たまたま初期現場にいただけで特に匠海ちゃんに対する感情はこれといってないです。最近俳優として売れていてすごいなあ皿はいろいろ大変そうだなあとか、その程度の感情しかない。Wデートがなんたらとかいうゴシップには沸きました。北村匠海、土屋太鳳との食事デート後の満たされた笑顔写真│NEWSポストセブン

 

鈴木先生キャストは先述の通り今でも活躍している子が何人かいて、太鳳ちゃんと小野花梨ちゃんの『人狼ゲーム』とか、松岡茉優ちゃんと匠海ちゃんの『勝手にふるえてろ』とか、そういうのを見るたびに微笑ましく嬉しく思ったりしてきたわけです。特に『勝手にふるえてろ』のDVDオーディオコメンタリーで茉優ちゃんが「匠海くんとは昔から知り合いで」って話してたときにはテンションが爆上がりだった。

そんなこんなで鈴木先生キャストの活躍を祈りながら、たまに共演しているのを見かけて嬉しくなったりしながら生きてきたわけだよ。それでドラマ放送から8年後の今、ユニットを組むというニュースを聞かされたらそれはもう嬉しいしかない。嬉しい。原曲聴いてみたらわたしに全くご縁がないような曲すぎて笑っちゃったけどでも嬉しい。カップリングで清竜人×多部未華子の雨を歌ってほしすぎます。歌ってください。

雨

 

賛否両論あるみたいだけど、楽しいユニットになるといいな。皿より先にTAOTAKがMステに出そうで嫌っていう意見だけは流石に庇えないっていうかせやな、、、、って思ってしまったけど、でも土屋太鳳ちゃんのこと好きになれるかもしれないからみんな一回鈴木先生見てみようぜ!って思う。なんたってスペシャルファクターだから。

たおたくの2人も太鳳ちゃんのファンも匠海ちゃんのファンも皿のファンも、それぞれが不幸にならないような企画になればいいな。

 

おしまい

*1:未来穂香ちゃんのことです

*2:ブログを読んでみてほしい

知らない世界がこんなにも楽しい/演劇実験「根本宗子」『コンビニ』

うっかりしてたらいつのまにか完売していたので、演劇実験「根本宗子」『コンビニ』の当日券に並びに行った。これがとんでもなく面白かったので、今急いでこれを書いています。当日券は毎公演出るみたいで、わたしは土日に並んだけど20枚当日券が出る回で大体20分前くらいにくればギリギリ買えるかなという感じでした。残すところ平日のみなのでまた勝手が違うかもしれない。予定枚数終了したら立ち見も10枚くらい出してるみたいです。

 

ざっくりとした説明はこの一色さんのツイートがとてもわかりやすい。2人芝居のWキャストの作品で、全く同じ戯曲をそれぞれのチームで全く異なる演出にするというもの。Wキャストではあるけれど、2チームを1つの回で順番に上演するのでチケット1枚で2チームが見られます。

内容に関しては好みとしか言いようがないんだけどはじめのチームと後のチームの毛色があまりにも違うので、演出の違いのおもしろさというか演劇の凄さをめちゃくちゃ感じられる構成が最高だよということだけ、とても伝えたい。

17日(水)まで上演中で後5公演しかないけどどうしても観てほしい。当日券は3800円、上演時間は1時間25分です。

今回の演劇実験という試みは、今まで実験的な試みを重ねていたバー公演のような場所をもう一度ということで企画されたらしい(パンフ談)。今回の実験は元々ラジオを聴くのが好きな根本さんがあるラジオで"同じ曲のアレンジ違いのものを2曲連続で流す"というコーナーを聴いたときにそれがすごく面白くて演劇でもできないだろうか、というところで着想を得たそう。

上に貼った一色さんのツイートの通り、草チームが会話劇・肉チームが肉体派のお芝居になっていて、これも文字で書いただけじゃわけがわからんと思うんだけど本当に本当に面白かった。普段の本公演とは違って、始まる前に根本さんから今回の演劇実験をやろうと思った経緯と、どのような感じで観るといいか、キャスト4人の紹介があったり。2本の上演が終わった後はキャスト4人と根本さんで客席からの質問に答えるコーナーもあって、なにもかもが普段とは違ったので新鮮で超楽しかったです。

 

 

以下ちょっとだけネタバレ

 

 

 

わたしは基本的に会話劇が好きで、他のエントリにも何度か書いてるけどコンテンポラリーダンス踊りまくりみたいな、舞台上が簡素で抽象的な、踊りながら場転みたいな芝居があんまり好きじゃない。今回は草チームがいつもの根本宗子節炸裂の会話劇で、肉チームが後者という構成になっていた。上演順が草→肉だったからもう既に知っている話をどう肉体で表現するのかっていうメタ視点に切り替えて観ることができたので本来苦手であるはずの肉チームも超絶楽しく観れた。わたしがなんで肉体系の作品が苦手かっていうと、共感が神様の世界で生きているので誰に気持ちを乗せて観ればいいのか分かりづらい作品にストレスを感じてしまうから。なので今回の肉チームは共感するという思考がそもそも働かないから最高だった。

草チームの会話劇は終わる直前までが本当に苦しくて、耐えられないかもしれないと思うくらいしんどい内容だった。根本さんが男性2人芝居を書くとこうなるのか…と思いながらあまりにも辛くて途中暫く俯いてしまったりもした。

人を罵倒したり笑ったり弄んだりするような男が早口でまくし立てながら話す場面は本当に辛い。心の中でタコ殴りにしながら観ていて、たまに少し可愛げがあったりしたときにちょっと笑っちゃう自分もいて、でもやっぱりクソだなって苦しくなっての繰り返しでずっと苦しかった。嫌な奴としての役割をかなり誇張して記号化して表現していたと思うけど、きっとこの世の中に少なからずいる人種だよなと感じてしまうことも辛かった。最後の場面でほんの少しだけ救いがあって、この世界にも光がないわけではなくて良かったなあと思ったし歌の場面では何の涙なのか自分でも全然わからないけど唇が震えるくらい涙が出た。

そんな心が震える、かなりダメージを負ってしまう草チームの後の肉チームは、打って変わってコメディで、同じ脚本なのに信じられないくらい愉快で歌うし踊るし一色さんはずっと目が血走ってるし汗やばいしめちゃくちゃ面白かった。世界観は謎だった。客席にいるわたしたちはもう草チームを観て内容を知っているから成り立つ演出だなあという感じで、正直肉チームだけを観たらわけわかんないんだけどそれでも2チームを順番にやるっていうシステムのおかげでエンターテイメント性が爆上げされているなという印象だった。

稽古期間が10日くらいしかなかったというお話だったけど草チームはもう完成されていて、逆に肉チームはやろうと思えばあと1ヶ月くらい稽古が出来るよね、やろうと思えばいくらでもやりようがあるよね、という話がアフタートークで上がっていたのが印象的だった。

 

もーーーまじで爆裂楽しくて当日券早く行きすぎて一番乗りだったけど観られて本当に良かったなあと思う。なにもかもが新鮮でこんな楽しいことがあるんだなと思ったし、逆にこれがあと5公演で終わっちゃうのかという気持ちもある。本当に観に行ってほしい。超楽しかった。上にも書いたけど、内容に関しては好みとしか言いようがないけど全く同じ戯曲の全く異なる演出が同時に観られることがめちゃくちゃ面白い。

 

演劇実験だからもし第2回をやったとしてまた今回みたいなシステムではやらないような気がするし、わからないけどとにかく行けてよかった。やっぱり根本さんの作るものが信用出来すぎて嬉しい。

 

 

 おしまい

急募:現場

芝居してる姿を最後に観たのはハイステの千秋楽なので、舞台の仕事がなくなってからもうかれこれ4ヶ月が経つ。その間、イベントがいくつかあったけど最後に推しに会ってからももう1ヶ月半くらい。本当はこの1ヶ月半の間にも歌を歌う外部イベントがあったけど、歌を歌う推しに興味がないので行かなかった。

今後の予定も特になく、毎日生きるなかで推しのことを考える割合がどんどん減っていって、最近はスマホ上部に現れる推しのツイート通知をただ無感情で見ているだけになってきた。自撮りも全くあげないので顔も思い浮かべることがなくなって、ただ通知の文面をを見るだけ。

現在推しとしている人物の最近の動向がこんな感じなので、わたしのおたくとしてのアイデンティティも流石に揺らいできた。

現場がなくともインターネット配信(showroom )はやっているんだけども、お友達ノートとかいう恐怖システムがあるのでやがて見なくなった。お友達ノートがなんたるか簡単に説明すると、ファンが自分の血液型や星座などをコメントに書き、それを推しが自分のノートに書き記すというものである。認知向上の為らしい。わたしは同担拒否ではないんだけど顔も知らん他のおたくに興味がないのでお友達ノートタイムが虚無すぎて苦痛だったので配信自体見るのをやめてしまった。今も続いてるのかな。もう終わってたら教えてほしい。

 

最近の私はというと、大好きなパフェ屋がしばらく休業することになってしまって凹んでいる。通常営業を一時休止するだけでたまに店頭販売や臨時営業をやってくれるので、それに合わせて電話予約に挑んだり店頭に朝から並んだりしている。あとは今年の5月からスポーツクラブに通い始めたので大体週3くらいで通っていたり、なぜか突如若手女優のおたくとなった夫の現場に着いて行ったり、だいたいそんなようなことをしていて、それなりに楽しく日々が過ぎている。

 

推しの仕事がないことに対して特にヤバいという意識も会いた過ぎて死にそうという感情も特にない。特にないので、それが逆にわたしのおたく人生が終わりに向かっているような気がしてしまって焦っている。

若手俳優を応援することの楽しさはよく知っている。ドキドキしながらチケットを買って、初日までわくわくしながら過ごし、観劇当日着席してから開演までの高揚感とか舞台に立つ推しを観られる喜びとか。仕事がだんだん大きくなっていく喜びも、イベントで素の姿を見られる楽しさも、会話が出来る嬉しさも、よーーーく知っている。知っているけど、最近それがなくても全然楽しく生きていけている。生きていけてしまって、困ってる。

推しからしてみれば、今後おそらく長く続けていく(いきたい)であろう俳優人生の中の、ちょっとした休養・勉強期間なんだと思う。ただ、わたしには今のようにフットワークが軽い状態で誰かを応援することが出来る期限が正直着々と短くなっている。子供を作ったりっていうことは今は全く考えていないけど、そう遠くない未来だと思うし産むなら早めがいいなとわたしも思う。夫は転勤族なのでおそらく向こう3・4年以内にはここでないどこか他の地方に越すことになる。

 

おたくの楽しさはよーーーく知っているので、それがまだまだ気兼ねなく楽しめる内に沢山現場に行きたいし、そのためには推しに仕事をしてもらわないといけない。おたくしてなくても全然楽しく生きていけちゃうけど、おたくをした方がわたしのQOLは上がるのだ。別にガッツじゃないし全通もしないしプレゼントもしないし興味ないイベントには行かないけど、一応応援してるので現場がないっていうのは寂しいものだよ。

一時期は買い支えなきゃ!なんて大それたことを思って泣きながらおたくをやったりもしたけど、今のわたしにはフラッと現場に行ける環境のタイムリミットがあって、やがて行けない現場の方が多くなることが分かっているのでなんかもう推しが俳優を続ける・続けないってことがもうどうでもいいことになった。続けてほしくたって私は力にはなれないのが分かるから。

ただ、今、今現在は俳優として事務所に籍を置いてるんだから芝居の仕事をやらないよりはやってほしいってただそれだけなんだけど、なかなか告知がありません。年内芝居仕事なかったらどうしよう。今更芝居が好みの人を探しにいく体力なんてないのに。

前に、たまたま推しが地下アイドル的なダンスボーカルグループと一緒にイベントにでた時があった。そのグループにめちゃくちゃ可愛い子がいたからワンマンに行ってみたらもう本当に可愛くて、ダンスが上手で最高だった。最高だったけど、パフォーマンスを見ながら「こんなに楽しくてかわいくてもわたしは応援できないんだけどねーー」と思った。仮にわたしが独身で、丸3年くらい棒に振ってもよければ推した(推せた)。地下アイドルは現場が全てだから、たまにしか行けない状態で追ってもなんにも楽しくないなと思ったので悲しかった。

おたくをやらずともそこそこ楽しく生きていけてる今、わたしにはもう俳優の現推ししか頼りがいない。新たに仕事がある人を発掘するなんて面倒すぎて無理。だから頼むから舞台の仕事をしてほしい。できれば年内。

頼むよ。

 

↑なんかください

おしまい