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さくらまつり

非オタへの道(失敗)

わたしの理想の男性像

応援していた俳優に対する気持ちは多分ガチ恋だった。

 今でこそ接触イベントが多発しているみたいだけど、わたしが追っていた時は直接話せることなんて殆どなかった。彼と厨のコミュニケーションなんかアメスタのゆっくり流れるコメントをひとつひとつ拾ってもらっていたことくらい。接触イベントやトークイベントがない役者を応援していると、役者本人の印象はかなりファンの想像の世界に傾いてくる。わたしは彼に対して理想の男性像・俳優像を抱いていたように思う。ろくに恋愛もしてこなかったわたしがガチ恋になるのは至極当然だったのかもしれない。

 ブログやTwitterで節目節目に丁寧に言葉を紡ぐところ、アメスタで拙いながらも懇々と話をするところ、毎公演カテコで自分のファン1人ずつに目を向けるところ、全員の名前を覚えようという心意気を感じるところ、実際に覚えているところ、ファンに分け隔てないところ。

彼にがっかりしたことなんて一度もなかった。他厨がオタに媚びてるって思ったとしても、わたしは一度もそんなこと思わなかった。お花畑って蔑称が俳優の良いところ以外見えていない厨を指すなら、わたしは間違いなく超絶お花畑だった。そりゃあもうとんでもなく。

好きな人には好かれたいじゃないですか。でも冷静に考えてオタクが好かれたい()とかほんと何言ってんの()って思われてしまうので、嫌われないことを一番に心がけた。行けるだけ行ったしお花も手紙には書かず匿名で出したし*1プレゼントも買った。出待ちなんて論外。若くて金遣いの良いおたくこそが一番だと思っていた。同厨に叩かれるポイントをただの一つも作りたくなかった(顔はまあ仕方ないとして)。

慎ましやかな良いオタクであることになによりの熱量を注いでいた。幸い?彼は月1くらいで舞台はあったけど、規模も小さく公演数も両手で足りるくらいしかなかったからJKやただの一般職でも通うのは容易いことだった。2.5の俳優を追ってる人の半分もお金は使ってないと思う。

 

今までのわたしの人生は、おたく以外の場面でも自分は悪い人間ではない(というかそうありたい)という思いが常に心の支えになっていた。

誰かと揉めそうになったら、決してやり返さず言い返さず、第三者が仲裁に入った時にそれは100%相手が悪いですとなるように仕向けたいという思いがずっとわたしの中にある。あなたに非はありませんと言われたい、誰かに肯定してもらいたいという気持ちが大きく胸の中にある。腹の内はともかくとして、表面上は間違ったことをしない人間でありたい。

 これは異性に対しても同じで、悪い人間ではないと表面上思える人を好きでありたいと思っている。界隈では常々カノバレだのなんだので炎上が頻発しているけど、そういう匂わせも全く感じない推しに魅力を感じていた。もちろん芝居をしている姿も好きだったけど、ファンに見せている内面の完成度がたまらなく好きだった。あの時ファンに見せてくれていたその内面のままの彼とお付き合いしたかった。そういう意味でのガチ恋だった。 そんな思いを抱えて応援していたら、ちょっとばかしこじらせすぎてしまった。

わたしが見ている姿が彼の全てじゃないことなんて百も承知で、彼の見せてくれる俳優像をわたしはお金で買っていたんだと今は思っている。本当の彼なんて知りたくないから、本気で付き合いたかったかって聞かれたらきっとそうじゃない。

5年10年応援し続けたとき、多分わたしは彼氏もいないままおばさんになってるんだろうなあって未来だけがものすごく簡単に想像出来た。彼も厨もいい年になって、ある日突然カノバレとか結婚報告なんかがあったらきっとわたし死んでしまうと思った。彼女いるんだろうなあって人と彼女いますって人では天と地の差があって、彼女いるってわかってる人のことをわたしは応援出来ない。絶対マジで本気で100%無理。

なぜなら理想の俳優像を見せてくれた彼のことが好きだから。

でもいつかきっとその時はくるし、わたしも永遠に良いおたくをやってる訳にはいかないことなんてわかってて、そしたらもうめちゃくちゃ怖くなっちゃって、別の俳優に降りた。まだカノバレも何にもしてないのに。今度は内面じゃなくて芝居が好みの俳優にしてみたけど、色々な場面での脇の甘さが目に余って結局全然ハマれなくて、すぐに降りて街コンに行った。第一回の街コンの人と今も付き合ってるよ。すごくない?

つまりわたしがオタ卒したのは妄想が行きつくとこまで行った結果だった。

順調に一般人やっている。ほぼ初めてまともに交際を始めたせいで、最初の3ヶ月くらいは世の中の男女こんなことしてんのかよあの彼もこういうのやってんのかよほんと無理死にたいって毎日思っていた。現場行かなくなって1年半くらい経つけど全然まだ余裕で好きだし、遊びに行きたいとは思ってるけど多分接触イベントなんか行った日には即刻出戻りすると思う。全然現場来ないのにTwitterで好き好きうるさいピンチケの気持ちをようやく理解した。現場でのちょっとしたストレスを感じず日常生活謳歌して、たまにSNSとかチェックするのノンストレスすぎる。ああいうピンチケが〇〇くんのふぁん名乗っていいなら一銭も落としてないわたしだって古参名乗っていいよね。死んでも名乗らないけど。

わたしが自信をもって今この一瞬が人生で一番幸せです!!!って思える時がきたら、久しぶりって言いに現場に行きたい。完全にこっちの事情で勝手に行かなくなって勝手にまた来たおたくだけど、きっと彼は笑顔で久しぶりって言ってくれる。はず。だってわたしが一番だいすきな理想の俳優だもん。

女としての幸せを目指して厨降りたんだから、絶対に幸せにならなければならないし幸せになるよ。破り捨てられたっていいから絶対に事務所に結婚しましたのハガキ送るんだわたしは。

早めに幸せになりたい。そして早めに会いに行きたい。

 

おしまい

*1:誰が出してるかなんてわかってるよね?という気持ちはかなりあったけど、紫のバラの人になりたかった。