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さくらまつり

非オタへの道(失敗)

君がいる世界の中で

 

自分の応援している人が個人のイベントをやってくれる、または出来るだけの集客がある確率って一体どれくらいだろうと最近考えている。
中学生の頃、深夜ドラマが好きで毎クール必ず見ていた。ある時ドラマに出ていたとてもかっこいい人を調べると、元テニスの王子様のミュージカルに出演していた人だった。その人がテニスに出演しなくなってからもう何年も経っていて、その頃既に2ndシーズンが始まっており、2作目が終わろうとしていた。
高校に入学してすぐにアルバイトを始め、そうして手に入ったお給料で初めて足を運んだのはサマーフェスティバルというイベントだった。
2ndの本公演をDVDですらも見ないまま参加したイベントは全く訳がわからなかったけれど、テニスの王子様に出演している人が生で観られる空間というだけで大興奮だった。なぜか奇跡的に席が大体5列目以内だったこともわたしを興奮させた。
そして、その時好きになったのが4年後まで応援することになった人だった。公演も観ないで好きになるとか今思うと意味不明だし死んでほしいけどそこから今年まで追ってられたことって奇跡だなあと思う。
 
俳優おたくになりたての高校一年生のわたしは、「学生なのであまり公演にはいれません」「学生なので遠征が出来ません」みたいなことを手紙に書いちゃう系のクソみたいな奴で、初めて手紙を書いたのも彼だし、初めて物を贈ったのも彼宛だった。つまりわたしのおたく人生はこの人と共に歩んできたと言っても過言ではない。変な書をしたためた色紙をあげたり、LUSHで700円くらいで買える石鹸をラッピングもしないでプレボに預けたり、多分歴代わたしにちょっかい出されてきた人の中で一番迷惑を被っているのも彼だと思う。
誕生日にプレボに預けたストールをいつかのアメスタで首に巻いてくれていた時があった。初めて自分の贈ったものを身につけている所を目にした瞬間だった。死ぬかと思った。
 
良席を自力で出す程の交友関係も、積むだけの財力も当時はなくて、いつも第3バルコニーから双眼鏡で見つめていた。
レギュラー陣ではないので、曲があれば万々歳。なければベンチワークかリプライズ。そこがわたしにとってのメインだった。リプライズなんて、キャラクターらしからぬキレキレのダンスはかっこいいなんてもんじゃなかった。キャラ崩壊だろうがなんだろうがラケットを握って踊っているリプライズのために5600円を払っていたくらい格好良かった。
 
認知とか対応とかそんなのとは無縁で、TSCPPの最後の握手やお見送りで彼に当たったことはなかったし、ジャンハイでハイタッチが出来たのは六角凱旋のたった1回だけだった。これは通っている回数が少ないせいが絶対的にあるけど、ハイタッチや握手は出来なくて当然、出来たら万歳三唱くらいの気持ちだった。
そういう認知とかの類いの認識をおかしくさせたのが、関東立海地方公演あたりからリリイベに行き始めた某非アイドルの人たちで、ここで金銭感覚とか対応とかのいろいろなものが壊れていった。
 
テニスを卒業してわたしの目の前から彼がいなくなってから、アイドルステージの情報が解禁されるクリスマスまでの間、わたしは非アイドルの後ろ姿を追いかけていた。そうしてえびだんで心が荒んでいたころにアイドルステージの情報が解禁された時は、神様っているんだなあと思った。とても虫のいい話である。そうなったら非アイドルなんて一気にどうでもよくなった。わたしには彼しかいないぞ!という心持ちであった。
 
よくわからないまま団扇を作り、ペンライトを購入した。当時わたしは高校3年生になっていた。舞台と言ったらスタンド花というイメージが漠然とあり、けれど相場もわからずお金も無いのでアレンジメントを贈った。10000円くらいの小さなアレンジメントだった。初日が明けたとき、会場にはいくつかの華やかなスタンドが並んでいて、あの時ほどスタンドを出さなかったことを後悔することってもうこの先きっと無いと思う。
そして公演が始まり、空白の期間に非アイドルからもらったレスを全部足しても足らないくらいの爆レスをもらった。
 
残すところあと一公演という前楽のカーテンコールで、もうあと一公演が終わってしまったらまた会えなくなるかもしれない。もう一生会えないのかもしれないと思い号泣してしまった。お前この間まで違う奴追ってたじゃねえかというツッコミをしたいくらいにボロボロに泣いた。
だけど案外次の機会はすぐにやってきた。号泣が恥ずかしくなるほどあっという間に次の公演案内が来ていた。そこからの1年はずっとずっとアイドルステージだった。アイドルもういいよって思う程に。他の出演者が違った舞台に出ている時も、彼はただただアイドルステージだけの俳優だった。アイドルステージの一作品ずつが終わる度、もう会えないんじゃないか、このままいなくなってしまうんじゃないかという不安を抱えて過ごした1年間だった。
 
けれど、ある日突然アイドルステージではない、ネルケでもない舞台の公演案内が更新されていた。人狼をテーマにした作品だった。全く知らない出演者に加え、とにかく人数が多すぎるという印象を受けた。
謎舞台と仲間内で物議を醸しながら迎えた公演はなんだかんだでとても楽しく、筋書きのない舞台もなかなか良いものだなと思った。スタンド花のリベンジがようやく出来た公演でもあった。
この作品は日毎に出演者が違うので、その日出番のない役者が物販を手売りしたりしていたのだが、なんとわたしの応援していた彼もいた。そこに。
その頃までは話せる時間と言えばアイドルステージでのお見送りや握手だった。しかしお友達( )なんていう設定のせいで役者本人と会話をするのは3年目にしてこの時が初めてだった。
わたしはまた泣いた。
 
それからというもの、月に1本とは行かずともかなりコンスタントなペースで舞台があり、アイドルステージも間にちょくちょく挟みながらといった感じでとても充実していた。とても楽しい日々だった。
けれど彼には固定でついているファンが明らかに少なかった。今でも不思議に思うくらいに少なかった。
だけど、アメスタがいつも変わらぬメンツでも、自分のファンと思われる人物がひとりしか見当たらなくても、彼はいつも変わらなかった。
カーテンコールで一人一人の目をきちんと見るところも、アメスタで入室した人の名前を必ず読み上げることも。
モンスターペアレントの思い込みと思われてもいいけど、彼ほど出来た人間っていないんじゃないかとすら思っている。
 
アイドルステージの一瞬の握手の時間に、今まで全く名乗っていない自分のファンの名前を手紙の情報から一致させて推理して、面と向かって「○○さんいつもありがとう」って自分のファン全員に言うだとか、
お手紙の返信を(しかもすごく長い)だとか、お手紙に手作りのミサンガを同封するとか、手作りクッキーを同封するとか、
なんかもう文字にして書き出すと意味不明なんだけど、俳優としての仕事を超えちゃってるんじゃないかって思うほどに色々なことを"恩返し"という形で色々やってくれた。
恩返ししたいのはこっちなのに。
なんでファン少ないんだろうなあとずっと考えていた。
 
わたしが辞めてすぐに、大きな舞台が決まっていた。そうして大きな舞台でいくつかのファンをつけて、彼は初の個人イベントを開催した。当然だよね。だってかっこいいしかわいいしファンのことすごく大切にしてくれる素敵な人だから。
今年の2月末の舞台のパンフレットに神様にお願いするなら?みたいな欄があって、そこには「いつか個人イベントがやりたい!」と書いてあった。
当時は絶対無理だよと思って泣きそうになったけれど、今こうして実現させている彼がいる。
 
主演だってイベントだって、わたしはどちらも絶対無理だと思っていた。だけど年内に両方叶えている、彼の発言を現実にさせるパワーみたいなものに今まで沢山の幸せもらってきた。
主演舞台ってすごいよ。
 
普段カーテンコールで話している人を見るべきか、応援している人を見るべきか悩むけど、主演舞台ってカーテンコールで話している人が自分の推しなんだよ。
一人一人舞台の上に出てくる中で、自分の推しが一番最後に、皆に迎えられて出てくるということがどんなに素晴らしいか。
個人イベントだって、会場に集まった人全員が、彼の為だけに集まった人なんだよそれってすごくない?
物販の写真だって彼のために用意された衣装で彼のためだけに照明があてられてって、そういう一つ一つに感動をしてしまった。
テニスの頃はとてもじゃないけど人気キャスと呼べるような立ち位置ではなかった。アイドルステージで着々と固定のファンを増やしていって、一つ一つのお仕事は決して大きいものでは無かったけれど、出演者やスタッフの繋がりで色々なジャンルの作品に出演して実力をつけていた。
 
うさぎみたいに走るのは早くないけど、地道に地面を歩いて、絶対ズルはしなくて、そうした頑張りが今徐々に報われていってるんだと思う。
もう戻ることはないけど、これから先もずっと幸せを祈ってる。素敵な人だから。
俳優をやめてしまうんじゃないか、もういなくなってしまうんじゃないか、それはわからないから精一杯追いかけようとずっと思ってきたけれど、今こうして先の心配もなく、2.5次元の主演を張るようになった彼のファンでいることを"自ら"辞める選択ができたこともまた、凄いことだなあと思う。
 
いままで沢山の幸せをくれてありがとう。
きっとこれからは大きな舞台に立つことがどんどん増えていくんだろう、有言実行のあなたが世界でいちばん大好きでした。これからもずっと素敵なあなたでいてね。
 
 
おしまい。